LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





ヤマト運輸/SIP実証実験、農産品輸出で新たな付加価値提供可能に

2023年03月30日/3PL・物流企業

ヤマト運輸は3月30日、食品輸出を手がけるWismettacフーズと、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で、国内外で流通する荷物の位置情報や温度推移などの輸送関連情報をリアルタイムに可視化する「トレーサビリティプラットフォーム」を活用した、農産品輸出の実証実験を実施したと発表した。

両社は、2021年7月から農産品の位置情報や温度推移、輸送中の衝撃などをリアルタイムに測定し、品質を管理しながら輸送する、食品トレーサビリティ規則に対応した実証実験を実施してきた。また、「フードチェーン情報公表JAS」の制定に向けた規格原案を提出するための輸出実証を行うなど、日本の農産品の高付加価値化に向けた取り組みを進めている。

<熊本県からシンガポール・香港にイチゴを輸出実証した際の運用フロー>
20230330yamato 520x240 - ヤマト運輸/SIP実証実験、農産品輸出で新たな付加価値提供可能に

<九州から米国(ニューヨーク)にイチゴの輸出実証した際のトレーサビリティ情報>
20230330yamato1 520x268 - ヤマト運輸/SIP実証実験、農産品輸出で新たな付加価値提供可能に

今回の実証実験では、日本から米国・シンガポール・香港・タイ・台湾に、高品質なメロン、サツマイモ、イチゴ、リンゴなどをマルチモーダル輸送(陸・海・空)。リアルタイムに輸送中の温度や衝撃、位置情報などの関連情報を可視化・把握することで、温度などによる農産品の変色の未然防止や、食べ頃を考慮した輸送経路や時期の調整など、新たな付加価値を提供できることを実証した。

実証実験で使用したトレーサビリティプラットフォームは、IoTデバイスや電子タグを利用して国内外の複数ユーザーの荷物の位置情報や温度推移をリアルタイムに確認することが可能。また、荷主が自ら輸送計画を事前に登録することができ、配送完了までの一連のオペレーションをひとつのシステム上でリアルタイムに管理することができる。輸送時に温度やセキュリティなどの異常を検知した場合は、アラートを発出することで速やかな対処が可能。

両社は、今回の実証実験の結果を踏まえ、日本の農産品のさらなる高付加価値化と輸出力強化に寄与していく方針。また、SIPのスマートフードチェーンコンソーシアムが推進する、フードチェーンのデータ連携プラットフォーム「Ukabis」との連携も検討していく。

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース