フラットフィールドと東京都市大学、トナミ運輸、北酸、早稲田大学アカデミックソリューションの5者は4月27日、2021年8月から共同で実施している「既販中型重量車の水素エンジン化事業性検証プロジェクト」で、エンジン性能目標の達成と同エンジンを搭載した車両製作を完了し、走行試験を開始したと発表した。
＜テストエンジン搭載トラック＞
＜同排気量ディーゼルエンジンとの性能曲線比較＞
同プロジェクトは、環境省による「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」の採択を受けて実施しているもの。
水素エンジンの開発では、荷物を積載した状態の車両が登坂路や高速道路を走行できるようにするため、低速トルクと最高出力の確保を念頭に置き、ピストンやピストンリング、水素供給系部品やカムシャフトを最適化したことで、同排気量の既販ディーゼルエンジンと遜色ない性能を獲得することに成功した。
また、車両製作では、300km以上の連続航続距離を確保するため、16本の水素タンクを搭載したうえ、ベース車両の約7割の荷室容積を得るための最適なレイアウトを追求し、構造等の変更検査にも合格しナンバーを取得した。
5者は、同車両について2023年度内に貨物輸送での実証試験を開始し、2026年度の社会実装（販売開始）を目指している。
なお、これらの目的達成は、リケン、アネブル、マーレエンジンコンポーネンツジャパン、マーレエレクトリックドライブズジャパン、日本特殊陶業、エルリングクリンガーマルサン、IHI、ENEOS、大同メタル工業などの企業の協力を得て実現した。
