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ベルーナ/埼玉の物流センター増築し19万m2、出荷能力43%増

2023年08月23日/物流施設

アパレルや雑貨などの通信販売を手掛けるベルーナは8月23日、埼玉県比企郡吉見町の物流センター「吉見ロジスティクスセンター」を増築、メディア向けに公開した。増築棟は4階建てで9万8350m2、2階フロアに同社がマテハンメーカーと開発した自動搬送ロボット(AGV)を利用した自動倉庫システム「G2Pステーション」を導入。これまで人が行っていた搬送作業を代替することで一人当たりの作業時間を約20%削減し、増築による出荷能力43%増を見込む。投資総予算は約130億円。

<吉見ロジスティクスセンター>
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<増築棟>
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同社は物流機能の強化を目的に「吉見ロジスティクスセンター」を2014年に稼働しており、延床面積は増築により合計19万8563m2となる。増築の目的は、通販事業において外部委託していた倉庫在庫の集約とベンダー物流の引込みによる商品横持ち費用の削減。また、物流受託事業のキャパシティ拡大も視野に入れている。増築棟は2021年11月に着工し、今年8月から稼働開始している。

<既存棟の対面ピッキング自動倉庫>
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同センタ―では、「歩かせない」「考えさせない」「判断させない」をコンセプトに、作業人員の即戦力化、管理人員の最小化に取り組んでいる。商品の入荷から出荷まで全てバーコードでオリコンごとに管理し、ランク付けして格納する。既存棟の対面自動倉庫ピッキングエリアでは、クレーンが自動で必要な商品を準備し、作業員が専用の端末でピッキングを行うと、1階のマトリクスアソートエリアへ搬送を行う。

<マトリクスアソートエリア>
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マトリクスアソートエリアでは、バーコードをスキャンし、トレーに乗せると顧客ごとに仕分けを行う。ここでは300人分を一括で仕分けでき、出荷エリアでさらにバーコードで検品を行い、梱包して運送会社へ出荷する。同センターのメイン商材は160cm以内のアパレル、雑貨で保管在庫点数(最大)は既存棟の700万点から1100万点に拡大した。

<G2Pステーション>
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<オリジナルAGV>
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目玉となるのは、増築棟2階フロアにある「G2Pステーション」だ。同ステーションでは、同社のCMやカタログ表紙・見開き等の主力商品を集め、さらなる作業効率化を図る。オリジナルのAGVを133台導入し、2008棚を設置。保管能力は約90万点に及ぶ。作業者のいる場所まで対象となる荷物を運送するGTP(Good to person)システムを導入し、AGVが棚ごとに作業者がいるワークステーションまで搬送する。これによりピッキング作業者は歩くことなく、大幅な生産性向上を実現。また人員構成に変更はなく、計画出荷件数実現が可能となる。

<安野清社長>
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<竣工式の様子>
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増築棟の竣工式では、安野清社長は「本当にいいものができた。AGVの導入とCO2削減により効率的な物流の構築を図っていきたい。この施設がフルキャパシティとなるよう、今後も営業力の増強に努めたい」と展望を語った。

同センターでは環境対策として、自家消費太陽光発電設備を導入しているのも特徴だ。経済産業省から「エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画」の認定を取得し、購入電力の非化石化の取り組み等を通じて、付加価値の創出と炭素生産性向上を図り、増築により年間CO2削減量1789トンを見込んでいる。

ベルーナでは、吉見ロジスティクスセンター(埼玉)と領家山下流通システムセンター(埼玉)、宇都宮流通システムセンター(栃木)の3か所に自社倉庫を保有している。

通販事業のうちEC比率は30.1%となっており、今後、自動化による商品配送までのリードタイム縮小等により顧客満足度向上に繋げ、EC比率向上に繋げられればという思いもある。今後の自動化については未定だが、まずは増築棟の稼働状況を見て検討していく考えだ。

<増築した吉見ロジスティクスセンターを公開>

■増築棟概要
所在地 :埼玉県比企郡吉見町西吉見南部地区
敷地面積 :2万3051m2(6973坪)
計画延床面積 :9万8350m2(2万9751坪)
稼動予定時期 :2023年 8月
投資予定額 :約130億円

新春特別インタビュー/佐藤可士和さんが考える「次の物流」

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