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空港グラハン協会/課題はカスタマーハラスメントと人手不足

2023年08月25日/SCM・経営

空港グランドハンドリング協会(AGHA)は8月25日、これまで「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」の委員として活動をしてきたグランドハンドリング連絡会を、新たな航空業界団体として50社(3万1886人)による設立総会を経て、新たにスタートした。

<設立総会での小山田会長のあいさつ>
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<協会加盟会社の制服が勢ぞろい>
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代表理事・会長には、ANAエアポートサービスの小山田 亜希子社長、同副会長に、JALグランドサービスの宍倉幸雄会長、スイスポートジャパンの吉田一成社長、日本空港サービスの青戸一登代表が選出された。

小山田会長は就任のあいさつで「これまでグランドハンドリング業界の社会での認知度はさほど高いものではなかった。その意味で、今回航空事業と区分けした形で協会が設立できたことは大きな意味を持ち、歴史的なことだと認識している。これまで競合関係にあったグランドハンドリング事業者が、共に手を取り合い、共通課題である人材不足をはじめとする課題に取り組み、業界を発展させ、日本経済や社会に貢献したい」と抱負を述べた。

<小山田会長>
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<記者会見を終えた左から協会の横山律幹執行理事、小山田会長、曽原倫太郎執行理事>
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今後協会では、様々な事業活動を行うとしている。まず、空港業務に関する基礎的データの収集・整理、男女比の極端な偏りの解消に向けた取組等の「業界の共通課題の方決に向けた事業」や、就航メリットを享受する主体間のリスク分担の実現、資格や車両仕様等にかかる業界ルールの整備、生産性向上、専門学校等教育機関との連携等の「会員企業の事業基盤強化のための事業」に取り組む。

そして、もう一つの大きな事業が「働く人にとって魅力ある業界づくりのための事業」。この事業のため、空港業務の情報発信の強化、カスタマーハラスメント対策、空港グランドハンドリング業界を目指す者の裾野拡大、労使間の対話を図るとしている。

中でも、コロナ前から、厳しい労働環境などにより採用と定着に課題があり、コロナ禍でさらに脆弱な業界との認識が進み、採用に厳しさが増した。業界は大きなダメージを受けたこの数年間、そして新たな2024年問題の高まりによって、深刻な人手不足を迎えているという。個社で乗り切るレベルではないと判断し、事業者の固まりが必要だとして、共同で課題に対処していこうというものだ。また、カスタマーハラスメントでは、どこまでが顧客のハラスメントか判定するのは難しいが、協会として、スタッフを守り、勉強会等も開催し、レギュレーションを正していくとしている。さらに、各労働組合との連携も視野に入れている。

現在、協会加盟は50社だが、国内では約400社がグランドハンドリング業務に携わっている。すでに、申し込みの意思を示している企業もあり、なるべく多くの企業の参加を目指しているが、二次受け、三次受けの企業もある業界だけに、具体的な数値目標は決めていないとのことだ。

なお、グランドハンドリングとは、空港において航空機運航の地上支援を行う仕事の総称を指す。主な業務として、顧客の登場をサポートする旅客サービス、航空機へ手荷物や貨物などの搭降載や畿内盛装を行うランプサービス、航空機に貨物を積むための調整を行う貨物ハンドリング、航空機の運航をサポートするオペレーションなど、空港の機能を維持していく上で不可欠な業務。

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