日本郵船とNTTデータは10月20日、日本郵船グループのGHG排出量を網羅的に可視化するため、日本郵船本店および国内外連結子会社約80社の温室効果ガス(GHG)排出量の集計体制を2023年12月までに構築すると発表した。
＜Scope-1からScope-2の図とScope-3の内訳＞
この課題を解決するため、両社は今年8月にGHG排出量可視化支援コンサルティング契約を締結し、集計体制が整っていないScope-3について、集計対象の選定、集計体制と算定ロジックの検討などを行ってきた。
今後は、これまでの検討を踏まえ、既存の集計体制を活用しつつ、Scope-3全体の集計体制を構築し、排出量データを収集・集計する。これらとScope-1とScope-2を合算することで、日本郵船はグループ全体のGHG排出量の可視化を目指す（船舶輸送事業に限らず、卸売り、製造、その他輸送等すべての事業を含む）。これより、GHG排出削減に向けた取り組みの定量的分析が可能となり、より効果的なGHG排出削減に寄与することが期待されるとしている。
＜GHG排出量集計のイメージ図＞
なお、日本郵船グループのGHG排出量のうち、燃料利用などによる直接的な排出を示すScope-1、電力利用などによる間接的な排出であるScope-2のすべてと、事業者の活動に関連する他社の排出であるScope-3の一部のカテゴリーについては既に開示されているが、Scope-3全体の適切な集計境界の設定、算出方法については確立されておらず、2050年ネットゼロエミッションに向けた重要な課題の１つだった。
