シービーアールイー(CBRE)は4月26日、大型マルチテナント型物流施設の市場動向レポート「ロジスティクス マーケットビュー Q1 2024」を発表した。
それによると、2024年第1四半期(1~3月)の首都圏での空室率は9.7%で、前期から0.4ポイント上昇した。
同期は、10棟で計19万坪の施設が新規供給されており、竣工時稼働率は5割を超えたが、新規需要は14万8000万坪と2023年の平均を下回った。
築1年以上が経過した物件の空室率(既存空室率)は4.4%で、前期の2.7%から大幅に上昇し、2012年第1四半期以来12年ぶりの高水準となった。外縁部を中心に既存物件の空室消化に時間がかかっている。
実質賃料は4500円/坪で、前期比で0.4%下落した。
近畿圏の空室率は5.3%で、前期比0.7ポイント低下した。
新規供給のあった3棟中2棟が満床となったほか、残りの1棟も高稼働で竣工。空室は一部の物件や郊外の一部地域に限られ、向こう2四半期に竣工予定の物件もプレリーシングが進んだことから、物件の不足感が強まった。
実質賃料は4160円/坪で、前期比0.7%と大きく上昇した。
中部圏の空室率は16.5%で、前期比6.0ポイント上昇した。
同期に新規供給された2棟が空室を残して竣工しており、その影響が出た。
なお、空室は弥富市以西の湾岸部に集中しており、内陸部や愛知県東部では需給が安定している。
実質賃料は3630円/坪で、前期から横ばいとなった。
福岡圏の空室率は4.9%で、前期比で3.2ポイント低下した。
新規供給4棟が満床ないし高稼働で竣工し、今期の新規供給、新規需要はともに四半期ベースで過去最高となった。
実質賃料は3470円/坪で、前期比で0.6%上昇した。
CBRE IM/千葉県野田市で 11.8万m2のマルチ型物流施設竣工