川崎汽船が5月7日に発表した2024年3月期決算によると、売上高9623億円(前年同期比2.1%増)、営業利益847億6300万円(7.5%増)、経常利益1357億9600万円(80.3%減)、親会社に帰属する当期純利益1047億7600万円(84.9%減)となった。
ドライバルクセグメントの売上高は2950億円(5.5%減)、営業利益36億円(81.1%減)。同セグメントでは、市況エクスポージャーを適切に管理すると同時に運航コストの削減や配船効率向上に努めたが、前年度に締結した契約などの遅効的影響や一過性要因によって、減収減益となった。
エネルギー資源セグメントの売上高は1069億円(6.7%増)、営業利益は79億円(12.2%減)。LNG船、電力炭船、大型原油船、LPG船、ドリルシップ(海洋掘削船)、FPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)が中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に寄与したが、前年度に実施した運航船舶の見直し等の影響で増収減益となった。
製品物流セグメントの売上高は5501億円(5.8%増)、営業利益1311億円(80.4%減)。
同セグメントのうち、自動車船事業では半導体や自動車部品の供給不足を背景とした生産・出荷への影響が漸減し、回復基調が継続した。
国内物流・港湾事業では、コンテナターミナル取扱量が前年同期を下回ったほか、国際物流事業では海上・航空輸送需要の減少傾向が継続した。
近海事業では、鋼材やバイオマス燃料輸送は安定した輸送量を確保したが、バルク輸送はロシア炭が大幅に減少し、輸送量は前期比で大幅に減少。内航事業では、旅客・乗用車は繁忙期の利用者が増加したものの、貨物輸送量は物価高による荷動き低迷や荒天による稼働減により前年を下回った。
コンテナ船事業では、持分法適用関連会社であるONEの業績が、第4四半期以降中東情勢に起因する喜望峰経由の迂回ルートの利用が継続したことで、船腹の余剰が緩和し短期運賃水準に一定の上昇が見られたものの、第3四半期末まで荷動きの伸び悩みと新造船竣工に伴う供給圧力により、短期運賃市況の低迷が続いた結果、前期比で大幅な減収減益となった。
2025年3月期の業績は、売上高9800億円(1.8%増)、営業利益930億円(9.7%増)、経常利益1350億円(0.6%減)、親会社に帰属する当期純利益1200億円(14.5%増)を見込んでいる。