日本郵船と郵船商事、レクザムの3社は5月10日、共同で開発を進めてきた自動車専用船で使用される再生ポリエステル繊維を用いた自動車固縛用ベルト(ラッシングベルト)の試作品が完成し、4月23日に自動車専用船での試験運用を開始したと発表した。
3社は石油資源使用量と温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指して、ベルト部分に再生ポリエステル繊維を用いた自動車固縛用ラッシングベルトの共同開発契約を2022年に締結し、製品の設計から試作、性能評価を行い、完成した試作品100本が4月23日に自動車専用船「CASSIOPEIA LEADER」へ積み込まれた。同船で試験運用を行いながら、日本郵船の定める基準を満たす強度・耐久性があるかを繰り返し確認し、2026年度を目途に完成品の正式導入を目指す。
再生原糸を99.5%使用したこれらの試作品の製織時に排出されるGHGは、石油資源を用いて製造された既存品と比較して約28.3%削減される見込み。この試作品を日本郵船が運航する全自動車専用船(約120隻)で使用した場合、約400トンのGHG削減が可能となる計算だ。
なお、各社の役割は、日本郵船が自動車の海上輸送に関する知見の提供、製品評価、郵船商事がプロジェクト企画立案・取りまとめ、レクザムが試作品製作、ベルト制作に関する知見・技術の提供、となっている。
3社は今後も性能評価と改良を繰り返し行うことで強度・耐久性を高め、自然環境への配慮と高い品質・性能を両立したラッシングベルトの開発を続けるとしている。
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