JX石油開発、日本郵船とその関連会社のKnutsen NYK Carbon Carriers AS （クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ、KNCC社）の3社は8月28日、KNCC社の独自技術「LCO2－EP Cargo Tank」を活用した二酸化炭素（CO2）の液化・貯蔵プロセスの最適化検討の実証実験を実施したと発表した。
＜ジュール・トムソン冷却方式と外部冷媒方式の比較＞
3社は、常温で液化CO2を貯蔵・輸送する常温昇圧（EP）方式の特徴を活用した、ジュール・トムソン冷却方式によるCO2液化プロセスを本年5月に考案した。実証試験は、KNCC社がノルウェーに保有する実証施設「テストリグ」に本プロセスの液化装置を追加して実施され、パイプラインで集積・輸送された状態を再現したCO2を液化し、LCO2-EP Cargo Tankへ移送することに成功した。
今回の実証試験の成功により、本プロセスで考案された技術はTRL6を達成したと判断した。
＜実証実験を見学する様子＞
本プロセスは原理上、従来の液化状態・方式に比べ液化効率が同等以上であり、最大2割程度のエネルギー削減が見込まれる。また、本プロセスに要する設備は、従来の液化方式に比べてシンプルかつコンパクトであり、モジュール化や浮体化も検討可能であることから、CCSやCCUSバリューチェーンにおけるCO2液化設備のコストおよび敷地面積の削減に資することが期待される。
