エスラインが5月15日に発表した2024年3月期決算によると、売上高496億8700万円(前年同期比3.4%増)、営業利益7億5800万円(8.8%減)、経常利益8億8600万円(14.7%減)、親会社に帰属する当期純利益8億3500万円(42.2%減)となった。
物流関連事業の売上高は489億400万円(3.4%増)、営業利益は11億1700万円(4.1%減)だった。
同事業のうち、輸送サービス部門では、生活関連商品の値上げによる購買意欲の低下やEC物流の増加で、特積み貨物の輸送物量は年間を通して前年割れの状況が続いた。
特積み貨物以外の輸送領域として、港湾地区での輸入貨物を取り扱うエスラインギフ「阪神港湾センター」や「京浜港湾センター」、中部地区の地域貸切を取り扱うエスラインギフ「中部貸切業務センター」での貸切業務の拡大への取り組みに加え、2024年2月に九州地区の地域貸切を取り扱うエスラインギフ「九州貸切業務センター」を開設する等、貸切収入は増加したが、特積み収入の減少を補うまでには至らなかった。
また、協力会社と幹線便の共同輸送や、2023年7月からエスラインヒダが富山県でラニイ福井貨物と共同集配業務を開始する等、輸配送業務の効率化と生産性の向上に取り組んできたが、同部門は減収となった。
商品保管や流通加工を行う物流サービス部門は、スリーエス物流の第三物流センターをはじめとした過年度に新築した自社保管施設による増床効果に加え、交通アクセスが良い場所に保管施設と輸送拠点を持っている利便性を強みとして、食品関連(主に菓子類メーカー)の取引先からの商品保管と配送業務の取扱物量が増加したことにより増収となった。
家電配送・設置業務や大型貨物の個人宅配を行うホームサービス部門は、家電量販店の販売不振が続いているなかで、顧客満足度を高める取り組みの継続で新規取引先の開拓が進んだことや、既存荷主の配送エリアの拡大に加え、2022年9月には東北地区、2023年10月には関東地区をカバーする家電配送と設置工事業務を行う会社を完全子会社化する等の取り組みにより、大幅な増収となった。
なお、同社はトモエによるTOB(株式公開買い付け)に賛同する旨の意見を表明し、マネジメント・バイアウト(MBO)の実施を5月15日付で公表しており、公開買付者によるTOBとその後の一連の手続を実施することによって株式が上場廃止となる予定であることから、2025年3月期の業績予想を記載していない。
エスライン 決算/4~6月の売上高8.2%増、営業利益42.6%増