プロロジスは10月3日、物流施設内での大規模調査を実施し、調査レポート「物流施設自動化の実態調査」を発行し、レポートの一部をWebサイトで公開すると発表した。
<プロロジスパーク内で使用されている AMR(自立走行搬送ロボット)例 (「プロロジスパーク八千代 1」内)>
調査対象は、プロロジスが運営する関東圏の物流施設に入居する物流企業や荷主企業。施設内で入居企業が運営する63事業拠点において、プロロジスの物流コンサルティングチームが対面でヒアリングを行い、調査レポートとしてとりまとめた。レポートでは、物流施設における自動化の現状と課題を包括的に分析し、今後の戦略的方向性を示唆している。
主な調査結果では、1工程以上の物流 DX・自動化状況は51%(複数工程での自動化26%、1工程での自動化25%)となっており、過半数以上の拠点で自動化が進んでいる結果となった。
荷主企業と物流企業間の自動化格差については、荷主企業は長期的な視点で自動化を進めており、自動化ソリューション導入率は 86%と高い。一方、物流企業では 21%に留まっており、その差は4倍となっている。一部自動化済みの企業はその後も自動化を進める傾向があり、未導入企業との間の格差が拡大している。
一般消費者向け出荷工程自動化率については、toB(企業向け)と比較して、toC(一般消費者向け)で自動化が進んでおり、中でも出荷工程での自動化率は 100%に上る。作業工程および自動化ソリューション別では、ピッキング工程における AGVや AMR、仕分け工程における立体仕分けロボット等、設置が容易で拡張性の高いロボティクス型ソリューションの普及が進んでいる。
一方、2024年問題に向けた物流 DX・自動化 – バース予約・管理ソリューション利用率は17%にとどまっている。利用率が低い要因として、トラックバースを多く備えたマルチテナント型物流施設では、バース不足に陥ることがほとんどないことが挙げられる。また、バース予約システムの導入には、複数のステークホルダーとの協力が不可欠であることも影響している。積込や荷下ろし工程での自動化は 0%。2024年問題対策のソリューションを望む声が見られた。
■物流施設自動化の実態調査 関東圏版
https://www.prologis.co.jp/japan-insights-research/report-202410
タイミー/3割が物流2024年問題に対応なし 残業規制への意見も