国土交通省は1月10日、「NX補助金(内航変革促進技術開発費補助金)」の公募を実施し、3件の事業を採択したと発表した。
「NX補助金」は、令和6年度に新しく創設されたもの。基幹輸送インフラである内航海運業に迫る人手不足、脆弱な事業基盤といった諸課題へ対応できる変革事業への補助金だ。
採択事業は物流革新DXと物流革新GXに分かれており、それぞれDXが1件、GXが2件となっている。
DXの1件目は、日本郵船、京浜ドック、内海曳船による「船舶定点保持装置の曳船向け技術開発」。
船舶定点保持装置は、風や潮流等の自然の力を相殺して、船舶の位置を保持する装置だ。
この技術開発で、作業待ち時間における船位保持のための船員の作業負荷の軽減や船舶が多く行き交う海域での衝突・接触事故の低減に寄与する。
GXの1件目は、新日本海フェリー、三菱造船による「ペロブスカイト太陽電池を船舶に搭載するための技術開発」。
ペロブスカイト太陽電池は、折り曲げやゆがみに強く、軽量化が可能な次世代型太陽電池だ。
この技術の促進により、化石燃料による船内発電を抑制し、CO2排出の削減に寄与する。
GXの2件目は、旭洋造船、三輪によるアンチローリングタンク(ART)とシステム操船による省エネ運航ならびに船員負荷軽減のための技術開発で、当直船員の労働負荷軽減を図ることを目的とする。
アンチローリングタンクとは、タンク内を水等の液体が移動することで、船舶の横揺れを減少させる装置のことだ。
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