エア・ウォーターのグループ会社、エア・ウォーター物流が千葉市稲毛区に建設していた食品向け冷凍・冷蔵物流拠点がこのほど完成し、「千葉低温センター」として3月1日から稼働を開始する。
グループとして関東では厚木低温物流センター(神奈川県厚木市)に続き2拠点目、全国で10拠点目の食品向け低温物流拠点となる。
エア・ウォーター物流は本社を北海道札幌市に置き、高圧ガス輸送、一般貨物輸送、血液を運ぶ医療物流、フェリー航路を使ったシャーシ輸送、トラックボディなどの設計架装まで幅広く事業を展開している。なかでも食品メーカーや小売、外食、通販会社向けの低温食品物流事業は、冷凍食品や加工食品ニーズの高まりを追い風に、堅調に伸長している。
こうした背景から同社は低温物流ネットワーク(コールドチェーン)の拡充を通じた事業拡大とグループ内の物流機能強化を目的に、千葉県内に新拠点を開設。同社グループが千葉市内で運営する高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」とシリンダーガス充填拠点「東関東ガスセンター」の敷地内に併設している。
これまで全国と首都圏の低温物流をつなぐ役割は厚木低温物流センターが担ってきたが、物流の「2024年問題」を背景に食品の長距離輸送が困難さを増すなか、新拠点開設により首都圏東部の低温物流機能強化も見据えている。
同施設を北海道・東北各地で生産された食品やその原材料を集約し、首都圏へ輸送するための拠点として活用するとともに、グループ内のアグリ&フーズ(農業・食品関連)事業を中心に、物流内製化を積極的に推進するなどシナジーを創出していく。また、ますます深刻となる働き手不足を考慮し、冷凍自動倉庫での搬出入作業の自動化やデジタル機器導入による庫内作業の効率化などDXを通じて、物流効率の向上にも取り組む。
さらに、グループはカーボンニュートラルの実現に向けて自社の温室効果ガス(GHG)排出量の削減にも取り組んでおり、2026年までに太陽光発電の導入設備容量10MWを目指す。施設の屋根に第三者所有の太陽光パネルを設置し、使用する電力のグリーン化を進めGHG排出量削減を実現する計画だ。
■概要
名称:エア・ウォーター物流 千葉低温センター
所在地:千葉県千葉市稲毛区六方町210-6
建物:鉄骨造2階建て(冷凍自動倉庫、冷凍庫、冷蔵庫、事務所他)
敷地面積:9959.06m2
延床面積:7376.41m2
(冷凍自動倉庫 1675.55m2、冷蔵庫 4434.84m2、事務所他 1266.02m2)
投資額:約42億円
稼働開始日:2025年3月1日