EPSは6月5日、EPG(Ehrhardt Partner Group)の倉庫管理システム「LFSWM」を鴻池メディカルに導入したと発表した。国内5拠点の物流センターで業務のデジタル化と標準化に取り組む。
KONOIKEグループの専業部門である鴻池メディカルは、病院や医療機器メーカー向けに物流サービスを提供している。
全国に10カ所の滅菌センターと複数の物流拠点を展開し、医療機器の受け取りから洗浄、保守、出荷までを一貫して同一施設内で行うワンストップモデルを採用。トレーサビリティの確保と衛生関連の法令遵守を実現している。
今回導入されたクラウド型倉庫管理システム(WMS)により、鴻池メディカルは、在庫のリアルタイム追跡、滅菌有効期限の管理、品質管理ワークフローの効率化などを1つの統合プラットフォーム上でできる。
「LFSWM」の最初の稼働拠点では、5000~8000のSKUを管理し、1日当たり約1200件の入出荷処理と、4000点に及ぶアイテムのピッキングを行う。
温度制御ゾーン(36℃未満)への対応や、繊細な医療用インプラントのための厳格な先入先出管理も実施しており、高度な在庫精度と品質基準の維持につながっているという。
鴻池メディカルは、以前は複数のメーカーが提供する様々なWMSを運用していたため、業務が非効率で複雑なことが課題だった。「LFSWM」導入で統一プラットフォームを構築でき、国内外でのサービス拡張にも柔軟に対応できるようになった。
さらに、Zebra社のハンドヘルド端末やバーコードリーダー、SFTPサーバによる外部インターフェースを活用し、他システムとのシームレスなデータ連携を実現。法定ラベルの印刷や、短期・長期貸出品、デモ品といったカテゴリごとのフラグ付け、個別伝票の作成にも対応している。
EPGは2023年、東京に専任オフィスを開設。またEPGとKONOIKEグループは、国際的な協力体制を強化するため、KONOIKEグループにとって欧州初の合弁会社となる「Ehrhardt Konoike Solutions」をドイツに共同設立し、7月に操業を予定している。