アドダイスとT2は6月12日、T2のトラックドライバーを対象に、アドダイスの「予兆制御AI」を活用し、眠気リスクを捉える実証実験を行ったと発表した。
実証は2025年3月から5月の期間、関東から関西までの高速道路上の一部区間(約500km)をT2トラックが走行する際に実施した。長距離幹線輸送においては初の試みとなる。
アドダイスは人や物体に潜むリスクの予兆を捉える「予兆制御AI」を、T2は自ら開発した自動運転トラックを活用した幹線輸送サービスを提供している。
予兆制御Aはアドダイス独自のAIで、「生成AI」とは異なり「まだ形や言葉になっていない、あいまいな状態から潜在的リスクを解析する」というもの。
人手不足が深刻化する物流業界において、ドライバーの健康管理は大きな課題となっており、両社は「ドライバー本人が自覚しない状態で、眠気を先行して検知することで、安心運行にもつながる」とみている。
実証では、まずドライバーが測定用のスマートウォッチを装着し自動運転トラックで走行する。
心拍数などのバイタルデータを予兆制御AIが解析し、「30分先まで」の眠気リスクを予測し、運行管理者にスコアで提示する。
眠気スコアが一定のしきい値を超えるとアラートが発報し、運行管理者とドライバーに通知されるという流れ。
実証結果を確認したT2のドライバー管理者は「実際、ドライバーは運転中に眠気を感じることがある。30分先に眠くなることがわかれば事前に対応できるので事故防止につながり、T2の安全を支える一端となる可能性を感じた。今後もさらなる精度向上を期待したい」とコメントしている。