セイノーラストワンマイルとアドダイスは4月9日、AIでドライバーの心身に潜む眠気の兆し「未来の眠気リスク」を捉える実証実験を実施すると発表した。
アドダイスは自社の特許技術に基づき、潜在的リスクを捉える独自のAI「予兆制御AI」を、ヘルスケア産業など多様な分野に提供している。
今回、物流業界において同技術を活用し、ドライバーの「未来の眠気リスク」をAIで捉えつつ、アンケート等でAI解析結果と実感覚のズレをつかみ、より精度の高いAIとすることを目的に実証を行う。「予兆制御AI」の活用により、ドライバーの事故予防と安心安全な運行に貢献することが狙いだ。
<実証の流れ>
アドダイスでは、物流業界の「健康起因事故予防」に着目し、ドライバー本人にたとえ自覚がなくても、心身の状態から解析した眠気の予兆を提示する「眠気スコア」を開発し、予兆制御AIに実装した。
実証では、まずドライバーにバイタル測定用スマートウォッチを装着してもらう。すると心拍数などが予兆制御AIに送信され、解析を行う。
バイタルデータをもとにAIが「いまの眠気(実測値)」と「未来の眠気リスク(予測値)」を、0から10までの「眠気スコア」として通知。それにより、管理スタッフが事故予防等の対応を行うことができるという流れだ。
<眠気スコア(スマートフォンでの表示イメージ)>
一般的な健康管理ソリューションでは、「実測値が設定値を“超えた”とき」に警告を発する。これに対し予兆制御AIは、「予測値が設定値を“超えそうな”とき」に警告を発する。アドダイスでは、これを「未来の眠気リスク」と定義している。
実証には、セイノーラストワンマイル関連企業のココネット、地区宅便、日祐のドライバーが協力する。
少子高齢化による人手不足に加え、EC市場の拡大により現場で働くドライバーの心身の負担は増加している。こうしたなか運行管理者には、居眠り運転などによる重大事故を回避するため、ドライバーの健康管理と健康起因による事故を未然に防ぐ取り組みが求められている。
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