太平洋セメントとグリッドは8月4日、船舶輸送効率の向上と業務効率化を目指すべく、グリッドの提供するAI技術を活用した配船計画最適化システムの開発を完了し、2025年5月より国内セメント業界において初めて運用を開始したと発表した。
太平洋セメントでは、輸送効率の向上と業務効率化が重要な課題となっている。各工場から全国の物流拠点へセメントを輸送する配船計画の組み合わせは、10の1400乗通りにも及び、熟練担当者が膨大な条件を考慮しながら経験に基づき計画を組んでいたが、 最適化には限界があった。
新配船システムは、AIが膨大な輸送データを解析し、複雑な制約条件を考慮しつつ 最適な配船計画を組むことで、業務改善に貢献することができる。
具体的には、輸送コストの削減では積載量や航路を最適化し、計画段階で燃料使用量等を約10%削減。在庫管理の改善では各物流拠点の適正在庫を実現し、安定供給体制をより強固にする。計画策定時間の短縮では従来の人が組む配船計画と比べ、計画策定時間を50%以上削減。船員の働き方改革を推進では、船員法にも対応する効率的な配船計画を目指す。環境負荷低減では、燃料使用量削減により温室効果ガス等の排出量を削減する。
太平洋セメントとグリッドは、システムの更なる高度化およびDX化を推進し、配船業務の効率追求に継続して取り組むことで、働き方改革とカーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。