三井不動産は10月15日、日鉄興和不動産、日鉄エンジニアリング、東京都板橋区と共同で応募した「街づくり型物流施設/MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」が2025年度「グッドデザイン賞」を受賞したと発表した。
受賞は「建築(公共施設)・土木・景観」部門におけるもので、「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」としては、初のグッドデザイン賞受賞となる。
施設は「街づくり型物流施設」をコンセプトに、近隣住民に寄り添う機能を有する物流施設とすべく取り組んだもの。
水害に強い拠点の形成という板橋区のテーマを踏まえ、板橋区・事業主・設計者があるべき姿を議論し、国内初の「高台まちづくりを盛り込んだ官民連携の都市計画の決定」により、東京都内で最大規模の街づくり型物流施設を実現している。
デザインにはポイントとして「地域住民に寄り添う交流の場の創出」「地域防災の向上に寄与する機能整備」「地域の環境負荷低減への取り組み」の3項目が挙げられており、官民連携による高台まちづくりと並行して、ZEB認証の取得などを実現している。
審査委員の評価では、「災害が頻発する昨今、暮らしのそばに防災拠点機能を備えることは、地域住民にとっては大きな安心につながるという共通認識の下、民間事業者と行政である東京都・板橋区が、用地境界をこえて連携して実現したことは、今後の日本における防災対策のあり方に対する示唆に富んだ事例である。コンセプトに示されている『街づくり×物流施設』という異質な組み合わせこそがこれまでにない新しい発想であり、1000人規模の緊急一時退避場所や災害時配送ステーションの常設など、巨大な物流施設であるからこそ可能となった。民間の公開空地、区の既存公園と都の河川管理通路を一体整備し、近隣住民の日常的な憩いの場となったことは、日頃から使い慣れた空間で災害時も過ごせる安心感になつがると考えられる」とコメントしている。
三井不動産は、現在も物流施設を中心とした地域社会との共生、周辺エリアの防災力向上、にぎわい創出といった街づくり型物流施設の開発を進めている。今後も総合デベロッパーとして培ったノウハウを結集し、物流業界および地域社会のさまざまな課題解決に貢献していくとしている。
物流最前線/「街づくり型」物流施設で差別化 産業デベロッパー三井不動産の狙い