国際医療NGOのジャパンハートは10月27日、フクダ・アンド・パートナーズ(F&P)が福島県郡山市に開設した「福島郡山LLタウン棟福島郡山未来共創センター」内に、新たな災害医療支援の拠点を開設したと発表した。ジャパンハートが東北地方で常設の支援拠点を構えるのは、2014年まで現地支援を継続した東日本大震災以来。
<8月の協定締結時の記念撮影。F&Pの福田 哲也 社長(右)と、ジャパンハートの吉岡 春菜 理事長(左)>

開設した災害医療支援拠点として活用されるのは、F&Pが物流・防災拠点として10月に開所した「福島郡山LLタウン棟」に併設する「福島郡山未来共創センター」の一画にあるBCP倉庫内の一部と災害時のラウンジで、無償で提供されている。
拠点では、医療資材などを東北エリアや周辺地域での災害支援出動時に迅速に現地へ届けられる体制を整えるほか、災害医療支援チームの本拠地として活用される予定。
ジャパンハートの災害支援拠点としては6か所目(福島・東京・富山・大阪・岡山・佐賀)となり、このほか厚生労働省傘下の災害派遣医療チームDMAT、さらに高知・佐賀・熊本・沖縄とは県と災害時の協定を結んでおり、日本列島での有事に備えた体制を着々と強化している。
新拠点の開設に伴い、ジャパンハートの高橋 茉莉子 災害支援・対策セクション部長は、「ジャパンハートは東京都と佐賀県に事務所を構えるほか、富山県と岡山県に災害時の活用を目的とした拠点を設置している。このたび、F&P様のご支援で、東北地方だけでなく首都圏の災害時にも複数の交通アクセスが確保可能な福島県郡山市に、新たな支援拠点を設けることができた。2011年の東日本大震災時には、宮城県内の複数避難所を支援する際に、拠点の確保と物資の搬送に時間を要した経験があり、福島郡山未来共創センターに出動用の医療資材や支援物資を備蓄することで、今後はこれまで以上に迅速な支援が可能となるとともに、企業の皆さまと民間レベルでの連携を強化することで、被災者の方々により多くの適切な支援を届けることを目指す」とコメントしている。
ヤマト運輸、プロロジス、F&Pなど5者が協定/福島県郡山市の広域物流・防災拠点竣工で
