ニチレイロジグループのロジスティクス・ネットワークは10月27日、ホームページ内でテーブルマークでの導入事例を公開した。
テーブルマークは、北海島から九州まで全国に生産拠点を持つ冷凍食品メーカー。かつて関西エリアで、事業拡大に物流体制が追いついておらず、年末の繁忙期に配送車両が不足したことがあり、商品の安定供給に支障をきたしたことがあった。
そこで複数の物流企業に相談を持ち掛けたところ、ロジスティクス・ネットワークが対応を申し出たという。安定的な配送体制と全国の物流拠点、アセットを保有していた点、関西エリアで業務用・家庭用の2拠点化に対応できる体制があったことで、協業がスタートした。
テーブルマークは2018年ごろから「物を運べなくなるリスク」に備え物流改革を進めてきており、発地の香川県と着地の埼玉県の間に、大阪府を中継地として設ける輸送方式「SULS(サルス)」を導入。
ロジスティクス・ネットワークが提案したこの方式は、中間地点に倉庫を設けて一時保管するのではなく、効率的に荷台をスイッチして運搬するやり方だ。保管を抑えることで、追加コストを抑制しながら持続可能な輸送を実現できる点が特長だ。
また今後本格導入に向けて、各エリアの配送拠点(FDC)への「共同補充」の検討も進めているという。
これは、従来各メーカーが抱えていた課題に対するもので、各社が自社の物流だけで補充計画を立てると、物量がまとまるまで出荷できず配送頻度が下がり、その結果として欠品リスク回避のために無駄な在庫が増えてしまう現状への対処となる。
計画している「共同補充」では、関東エリアに共同の基幹倉庫(MDC)を設け、各メーカーが製品を保管、MDCから各エリアのFDCへ複数メーカーの製品を積み合わせて補充輸送を行うという。
「共同補充」により、これまで単独で満載にして輸送しなければならなかった輸送が、他社の商品と合わせて高頻度になる。補充頻度が上がることで、各拠点の在庫水準を抑え、サプライチェーン全体のコスト効率を向上させることが狙いだ。
テーブルマークは安定的かつ持続可能な物流を維持するため、今後も物流を取り巻く課題に対して仮説と検証を繰り返していくとしている。
ニチレイロジ/10月3日から企業CM「世界のスタンダード」編をテレビ放映


