Mujinは3月4日、日本運輸太田インター営業所において、統合型オートメーションプラットフォーム「MujinOS」を基盤とした完成車メーカー向け部品供給倉庫のDXを構築したと発表した。
多品種・少ロット化が進む自動車生産に対応し、生産計画と連動した自動化・デジタル化を実現した次世代型物流拠点となる。
日本運輸は、梱包から運搬、倉庫まで一貫した物流サービスを提供する総合物流企業。
近年、関東圏の完成車メーカーでは、ニーズの多様化や製品サイクル短縮を背景に、混流による変種変量生産が拡大している。これに伴い、部品供給の現場では従来以上に柔軟で変動に強いオペレーションが求められている。一方、倉庫内作業は依然として人手や熟練者の判断に依存する部分が多く、将来的な人手不足や技能継承が大きな課題となっていた。
日本運輸はこうした環境変化を見据え、重筋作業の自動化と属人化しやすい判断業務のデジタル化に着手。Mujinと連携しロボット、AGV(無人搬送車)、デジタルツインを組み合わせた統合ソリューションを導入した。
物流自動化へ3つの革新
両社は物流革新へ3つの革新に挑んだ。1つ目は、97種に及ぶ製品の品種別自動補充だ。通い箱のデパレタイズ/パレタイズを担う知能ロボットとAGVを連携させ、サプライヤーから集約された部品を自動で仕分け・段積みする仕組みを構築した。
知見ロボットは、ミリ単位の精度が求められる嵌め合わせや、左右部品が混載されたパレット、サイズ差の大きい通い箱にも柔軟に対応しており、段積み後はAGVが自動搬送し、品種別補充から空箱回収までを一貫して自動化している。
2つ目は、部品ピッキング工程の高度化。DPS(デジタルピッキングシステム)やPPS(プロジェクションピッキングシステム)を活用し、作業者に対してデジタル表示で取り出す部品や投入間口を指示し、生産計画と連動した情報に基づいた正確なピッキング支援により、誤投入などのポカミスを防止する。これまで“カン・コツ”に頼っていた補充数や優先順位の判断もシステム化され、作業の標準化が進んだ。
3つ目は、倉庫全体を統合制御する「MujinOS」の導入。完成車メーカー側の生産計画(MES/WMS)と連動するWES(倉庫運用管理システム)を搭載し、ロボットやAGV、各種自動機器をデジタルツイン上で一元管理。リアルタイムで倉庫全体の稼働状況を可視化し、データに基づく運用改善やリモートメンテナンスを可能にした。変動の大きい生産計画にも柔軟に追随できる基盤を整えた点が特徴だ。
導入効果も現れている。10kgを超える通い箱の仕分けや搬送をロボットが代替することで、作業者の負荷を軽減し安全性を向上。また、通い箱のサイズに応じてハンドを自動交換するツールチェンジャー機能により、従来2台必要だったロボットを1台に集約。省スペース化と設備費削減も実現している。
Mujinが設計から施工、立ち上げまでを一貫して支援することで、倉庫切り替え後もスムーズな稼働を実現したという。
多品種少ロット化が進む自動車産業において、部品供給の高度化は競争力を左右する重要テーマだ。日本運輸では経営層から現場まで一体となって改革に取り組んだことで今回、事業競争力強化につながるDX推進につながったという。
Mujinは今後も、統合型オートメーションプラットフォームの展開を通じて、産業現場のDXとサプライチェーン全体の最適化を支援していく方針だ。
■Mujin導入事例 日本運輸
Mujin/AGVの新モデル2機種を拡充、多様な搬送ニーズに対応


