YKKは11月5日、ファスナー専用機械部品工場が完成し、12月から操業を開始する。
YKKの技術の中枢である工機技術本部が今後も黒部に中軸を置き、ファスニング事業・AP事業における専用機械・ラインに特化した専用の機械部品加工工場として、将来のものづくりの進化に対応していくために「社員が自ら考え、進化し続ける」ことをコンセプトとしている。
その中で5年後10年後も競争力を持ち続ける柔軟なライン編成による「フレキシビリティ」を備えた工場としてレイアウトフリーと精密機械部品の安定生産を担保するための高度な温湿度・振動コントロール、自然採光を積極的に取り入れ社員の働きやすさを実現する、世界初の「窓のある精密機械工場」へ挑戦する。
環境面では自然エネルギー(光、水)を積極的に取り込み、富山県黒部扇状地の地下伏流水(表層地下水の地中熱)の活用等を通して使用電力を従来から20%削減すると共に、使用する工業用水量を75%削減する。
機械部品のものづくりにおいては、人作業や搬送の自動化と伝票レス化等による自動化ラインと、作業の標準化や作業動線の改善を図った加工セル、組立しやすさを追求し、必要な時に必要なものを供給する仕分・配膳で製造ラインを構成し、これらの継続的な改善・改良、進化を通して事業競争力の強化を図る。
■ファスナー専用機械部品工場概要
所在地:富山県黒部市吉田200
生産品目:YKKファスニング事業向けの生産ラインにおける専用機械部品、及び金型等
専用機械部品 250万個/年、専用機械金型 500セット/年
出荷金額:200億円(別工場で製造する1500台の専用機械との合算)
参考:YKKファスニング事業における工機製設備の稼働台数4万台
■工事概要
延床面積:2万6227m2
構造・階数:鉄骨造・地上2階
操業:2015年12月操業開始、2016年4月本格操業予定
投資額:78億円(設備投資含む)
主な設備:ファスナー専用機械 部品生産ライン、金型部品生産ライン
YKK AP/グローバル事業拡大へ向け上海に現地法人設立、調達力強化