日本航空(JAL)とイオンは3月4日に両社が協力して緊急物資の輸送にあたる「緊急物資の輸送に関する覚書」を締結し、3月7日には演習を羽田空港で実施した。
覚書締結で両社が協同して取り組むことにより、 有事の際により迅速かつ適切な支援活動が実施でき、さらには防災意識の醸成を図ることが可能となる。
覚書の概要は、災害発生に伴い地域住民が避難している場合などに、 イオンは緊急物資の国内空輸をJALに依頼し、JALは一定の条件下でこれに無償協力する。
国や自治体などから同様の依頼をJALが受けた場合、 搭載順位はJALにて決定する。
JALとイオンは災害発生時の連絡窓口を定める。
演習は羽田空港西貨物地区で開催し、イオンの物流センターから支援物資(コンテナ2台分:トイレットペーパー9ケース、カップスープ64ケース 総重量約170㎏)を積んだトラックが、羽田空港に入るところからスタート。
JAL貨物上屋で航空コンテナに積み替え、牽引車で搬出、計量を経て航空機で徳島空港へ空輸するという設定で行った。
<イオンの津末浩治グループ総務部長(左)とJALの佐々木康人コーポレートブランド推進部長(右)>
JALの佐々木康人コーポレートブランド推進部長は「東日本大震災時には仙台空港が使えず、秋田などの周辺空港を利用した。今回、全国に陸の輸送手段を持つイオンと空の輸送手段を持つJALが協力することで、緊急時に迅速に物資の輸送が可能となった」と話した。
イオンの津末浩治グループ総務部長は「イオンは年2回の防災訓練など、緊急物資輸送については、従来からさまざまな努力をしてきた。今回JALと覚書を締結したことで、行動がよりブラッシュアップされたものとなった。演習に基づきさらに改善を図っていきたい」と話した。
なお、両社は、 2007年に持続的な事業発展を目的とし、顧客満足をより一層向上させるため、提携カードの発行をはじめとした広範な業務提携を結び、これまでさまざまな分野において取り組んできた。
また、 日々の生活に欠かせないインフラ事業という面で同じ社会的使命を有していることから、東日本大震災発生時にも協同支援活動として震災翌日に緊急支援物資を空輸するなど、これまでも業務提携に基づき支援活動に努めてきた。
イオン/福岡XD新設、物流効率化・脱炭素化モデル構築し全国展開へ