LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





イオン/福岡XD新設、物流効率化・脱炭素化モデル構築し全国展開へ

2024年07月22日/SCM・経営

イオンは、新設する物流センター「イオン福岡XD(クロスドック)」をモデルに、物流課題の解決と脱炭素社会の実現を目指す取り組みを7月24日から九州で始めると発表した。

トヨタ自動車、いすゞ自動車、日野自動車、スズキが参画するCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)と、イオン九州、イオングローバルSCMの3社による協業で、物流課題解決と脱炭素社会へ向けた物流モデルを構築し、九州の取り組みを全国展開へつなげる狙い。

物流の最適化を目指し、仕入れから販売までの各流通段階における効率改善に取り組むイオンと、物流効率化のためカーボンニュートラルと車両の電動化に取り組んできたCJPTの志が重なったという。

具体的には、トヨタ生産方式(TPS)を物流現場に応用し、作業負荷軽減と効率化を実現。またリアルタイムデータを活用し輸送計画を最適化する。さらにセンターに自動化機器を導入し、生産性向上などに取り組む。

<イオンの手塚大輔 執行役物流担当(左)とCJPTの中嶋裕樹 社長>20240722eon2 - イオン/福岡XD新設、物流効率化・脱炭素化モデル構築し全国展開へ

<イオン福岡XDを起点とした具体的な取り組み>20240722aeon3 - イオン/福岡XD新設、物流効率化・脱炭素化モデル構築し全国展開へ

今回の取り組みスタートにあたり、イオンとCJPTは7月22日、説明会を開催。

イオンの手塚大輔 執行役物流担当は「実現したいのは物流課題の解決と、カーボンニュートラルの実現。現状では大量の物量、時間の制約から非効率な部分がありドライバーの負担になっている点などが課題だ」と述べ、「新センターを拠点に、TPS思想とリアルタイム最適配送計画を活用し、総走行距離を20%削減、自動化によって物流作業者やドライバーの負担も軽減する。環境車両を導入し、CO2は15%抑制できる」などと期待した。

CJPTの中嶋裕樹 社長も「荷物やトラック、交通情報のリアルタイムデータを最適化すること、トラックの積載率を上げていくことなどで最適な配送が実現できる」などと語り、協業の意義を強調した。

<説明会での記念撮影。左からイオン九州の柴田祐司 取締役相談役と中川伊正 社長、手塚氏、中嶋氏>20240722eon1 - イオン/福岡XD新設、物流効率化・脱炭素化モデル構築し全国展開へ

イオンとCJPTは2021年4月、フェーズ1として、イオングローバルSCMの南大阪RDCで協業を開始。イオンの小売業の物流ノウハウとTPSの組み合わせにより、トラックの総走行距離を効率化したり、CO2排出量を削減したりできることに手応えを得たという。

これを踏まえ、2022年9月からは、フェーズ2として九州エリアに活動範囲を広げ、改革の領域も「物流現場」から「物流ネットワーク全体」へ拡大。

2024年7月から 大型物流施設「T-LOGI 福岡アイランドシティ」内に常温・低温複合型センター「イオン福岡XD」を本格稼働する。これを集大成のフェーズ3と位置づけ、物流センター内の作業改善と最適配送による総走行距離の短縮を通じ、物流作業の自動化とも合わせ業負荷軽減や生産性向上を推進、CO2排出量削減を進める。

説明会にはイオン九州の柴田祐司 取締役相談役も出席し、「これまで個別に自社最適を重ねてきたが、全体最適を狙わなくては物流課題は解決しない。物流の2024年問題で、2030年には九州エリアでも約39%の輸送能力が不足すると予測されており、今年さえ乗り切れればよいという問題ではない。どう拠点を回れば効率的に配送できるのか、といったことに取り組んでいきたい」などと展望を語った。

<イオン福岡XD>
20240722aeon4 - イオン/福岡XD新設、物流効率化・脱炭素化モデル構築し全国展開へ

■施設概要
名 称 :イオン福岡XD
所在地 :福岡市東区みなと香椎4-1-1  T-LOGI 福岡アイランドシティ1・2F
賃借面積 :4万1335.80m2(1万2503坪 )

東急不動産/埼玉千葉兵庫でマルチ型物流施設を着工 冷凍冷蔵に対応

関連記事

SCM・経営に関する最新ニュース

最新ニュース