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帝国データバンク/運輸・倉庫業界は金融緩和策で販売価格上昇

2016年11月15日/調査・統計

帝国データバンクは11月15日、金融緩和政策の効果や政府の経済対策に対する企業の見解について調査を行い、結果を発表した。

金融緩和政策の効果について、「実感はない」企業が 59.7%だった一方、「実感がある」は 12.9%にとどまる。「金融」(24.8%)や「不動産」(22.0%)で 2割を超えた。次いで「運輸・倉庫」業界が14.1%を占めた。多くの企業で金融緩和政策について、その効果を肌感覚で認識するには至っていない。

<主力商品・サービスの販売価格の変化-平均変化率-(規模・業界別)>
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自社の主力商品・サービスの販売価格が1年前と比べてどの程度変化したかについては、「不動産」が平均プラス0.81%で最も上昇したほか、「運輸・倉庫」「建設」の3業界が上昇した。

他方、「小売」はマイナス0.92%で販売価格の低下率が最も大きかったほか、「製造」「卸売」など6業界で低下した。

企業からは、「円安が進み、海外からの商品仕入れ価格が上昇し経営を圧迫しているが、販売価格に反映させるのは難しい」(男子服卸売、広島県)や「販売価格に転嫁できないという問題は、企業努力で補うにも体力には限界があり、結局のところ人件費にしわ寄せがいくことが多い」(肉製品製造、茨城県)など、仕入れ価格の上昇を販売価格に転嫁できないという声が多くあがった。

販売価格の上昇が一部業界でみられた一方、取引先からの値下げ要請も多く、主力商品・サービスにおいても厳しい価格設定を余儀なくされている実態が浮き彫りとなった。

<来年度および5年後の物価動向予想~業界別~>
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今後、物価上昇率(インフレ率)がどの程度になると思うかでは、「上昇」が53.6%と半数を超えており、「0%程度」(11.5%)、「下落」(8.8%)を大きく上回った。企業は、5年後には1.29%上昇すると予想しており、来年度よりは高まるとみているものの、日本銀行が目標として掲げる2%には依然として届かないと見込んでいる様子がうかがえる。

業界別にみると、来年度の物価予想は「建設」が平均0.65%増と最も高く、次いで「サービス」「運輸・倉庫」が続いた。

最も低い「農・林・水産」は0.28%増となっており、最も高い「建設」を 0.37ポイント下回るインフレ予想となっている。5年後は「建設」が1.44%増で最も高く、来年度とともに物価の上昇を最も見込む業界となっている。しかし、「不動産」は0.90%増と最も低い物価上昇予想となった。

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