グローバル・ロジスティック・プロパティーズ（GLP）は4月17日、埼玉県比企郡川島町で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「GLP川島」を竣工した。
＜GLP川島＞
＜右側にある高架道路が圏央道＞
＜位置図＞
＜詳細図＞
昨年3月に着工した延床面積4万8899m2（メザニンを追加した場合:約5万4000m2）の4階建て物流施設で、圏央道川島ICに隣接し、関越自動車道、東北自動車道への接続にも至便な上に国道16号線と254号線も利用可能な好立地に所在する。
これらの道路を使い分けることによって、広域配送に加え、地域内配送や都心配送へのオペレーションも可能。また、埼玉県中央部から北部は工業団地が多数集積しており、さまざまな業種の物流ニーズが見込まれるエリアだ。
＜メザニン（中2階）使用時の扉を設置＞
＜4階倉庫部分＞
1、2、4階が一部事務所を含む倉庫エリアで、3階は事務所エリアのみとなっている。
Eコマースやアパレル企業など天井高を必要としないテナント企業の場合、要望により2階にメザニン（中2階）フロアを追加できる一方、保管機能を重視するテナント企業は、メザニンを設置せずに2階部分の7.5mの天井高を有効利用できる。
1階部分は土地の高低差を活かして高床低床両方のバースを設置するとともに、製造業や飲料メーカー向けに2.5トンのフォークリフトが走行可能な構造とした。
＜天井に備え付けている太陽光パネル。全て売電する＞
＜超大型シーリングファン。夏場は体感温度が5℃程度違うという＞
＜1階車路部分＞
＜1階バース＞
全館LED照明や太陽光パネルの設置など環境に配慮した設備も兼ね備え、水害対策として非常用発電機を含む電気室を2階と3階に設置するBCP対応や制振ブレース構造を採用するなど安全性を確保している。
庫内で働く人の庫内環境配慮として断熱効果の高い建材を使用しているが、それに加えてアルミ製巨大羽根を低速回転させ、天井の高い広域空間に大容量の空気 循環を生み出す超大型シーリングファン「ビッグアスファン」も導入。このシーリングファンにより体感温度として空調設備と同等の効果が見込める。
なお、GLPは4月17日付でGLP川島が所在する川島町と洪水発生時での施設等の提供協力に関する協定を締結し、避難勧告時には施設内のスロープを通過して2階車路に避難者を700名まで受け入れることに合意した。
＜GLPの帖佐義之社長＞
GLPの帖佐義之社長は「埼玉県の圏央道沿いの物流ニーズは引き続き底堅いと見ており、さまざまな荷主企業の物流ニーズに見合うようにフレキシビリティの高いGLP川島を開発した。GLPではアメニティ充実の一環として、夏場の庫内労働環境の快適性を向上させるため大型シーリングファンを開発物件に標準仕様として設置することを決定した。このGLP川島の設置が初の適用となる」と話した。
さらに、「想定では、この施設で100人から200人の従業員が働くことになると思う。川島町は人口2万人、周辺の川越市も含めれば、周辺地域から従業員の雇用確保は確実に見込めると考えている。また、アスクルの火災後の対応では、従来もやっていたがより一層防火施設や危険物の取扱いの点検チェックを強力に進めている。開発においては防火基準・建築基準に沿って進めているが、原因の発表を見守りつつ、随時判断して、安全・安心な物流施設開発に努めていく」と述べた。
■施設概要
施設名：GLP川島
所在地：埼玉県比企郡川島町大字上伊草三島888-1
敷地面積：2万6857m2
延床面積：4万8899m2
着工：2016年3月
竣工：2017年3月
