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マーレ(旧南日本造船)/7月24日に特別清算申請、負債額60億円

2018年07月26日/SCM・経営

帝国データバンクによると、マーレ(旧南日本造船)が7月24日に大分地裁へ特別清算を申請した。

負債額は約60億円。

主要株主である三井造船が船舶事業の立て直しを推進し、マーレ事業を今治造船グループの新笠戸ドック(山口県下松市)に譲渡することが決定。

マーレが別途設立した南日本造船に対して4月1日付で全事業を分割譲渡のうえ、所有株式を新笠戸ドックなどに譲渡。マーレは現商号へ変更し、4月27日開催の株主総会決議で解散していた。

清算したのは旧事業会社で、マーレから事業を引き継いだ今治造船グループの南日本造船は現在も営業を継続している。

なお、マーレは、1974年3月、大分県を地盤とする造船業者臼杵鉄工所が鹿児島県串木野市(現・いちき串木野市)に所在する串木野造船所の営業権買収を目的に、南日本造船の商号で同市内に設立。1976年12月に臼杵市へ本店を移転した。

その後、九州を地盤とする造船業者・田中産業(大分市)のグループ会社となったが、1987年1月には同グループ会社とともに負債約200億円を抱えて和議を申請。1990年4月に三井造船(現・三井E&Sホールディングス)および大阪商船三井船舶(現・商船三井)から資本参加を得て立て直しを図っていた。

事業としては、自動車運搬船をはじめ、石油製品や液体化学製品を運ぶタンカー、ばら積み貨物船、コンテナ船などの船舶建造を中心に手がけ、1997年までに2工場体制を確立するほか、船台を拡張するなどで業容を拡大。2004年にマーレが建造した自動車・トラック運搬船が日本船舶海洋工学会選定の「Ship Of The Year’03」を受賞するなど、高い技術評価を得ていた。

2008年には大分市内に大在工場を開設して3工場体制とし、2009年3月期は年売上高約275億円(工事完成基準)を計上した。

しかし、リーマン・ショック後に世界的な船舶需要が急減。1ドル=80円を突破する円高もあって中国や韓国など海外造船会社との受注競争を強いられ、船価の低い受注が主体となったことから、2014年3月期の年売上高は約200億円(工事進行基準)に落ち込み、その後も一進一退で推移していた。

その間、鋼材価格の高止まりに加え、短納期対応にともなう労務費の増加、為替の変動にともなう差損の計上、設計や建造におけるミスの発生などから採算も悪化していた。

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