トヨタ自動車は7月31日、Toyota Motor North America（TMNA）が、現地30日、米国の研究機関であるCenter for Automotive Research主催のイベントで、航続距離や居住性を向上させた燃料電池（FC）大型商用トラックの改良型を公開したと発表した。
＜改良型のFC大型商用トラック＞
＜FC大型商用トラック組みたて映像＞
TMNAは、昨年夏からカリフォルニア州で行ってきた実証実験に、今秋より改良型を追加導入する。
実証実験は、トヨタの物流施設から排出されるCO2をゼロにすることを目標とした「トヨタ環境チャレンジ2050」の取り組みの一環。1台目の実験車は実際に港湾エリアの貨物輸送を行い、これまでに約1万6000kmを走行した。
改良型は、居住性と操縦性を向上させる取り組みとして、運転席のスペースに簡易ベッドを備えたスリーパーキャブを採用したほか、FCユニットの配置を工夫し、ホイールベースを延長することなく先代より広い車内空間を確保した。
水素タンクの本数を4本から6本に増やし、通常運航における満充填時の推定航続距離を約320kmから約480kmに伸長した。
現在、ロングビーチ港やロサンゼルス港では環境負荷の高い1万6000台以上の貨物輸送トラックが走行しており、その数は2030年までに約3万2000台に増加すると推定されている。
米国全体では、4万3000台以上の貨物輸送トラックが大気汚染物質を排出しながら港湾エリアを行き来しており、周辺のコミュニティにとって深刻な課題となっている。
そのような課題の解決を目指し、トヨタは、水素利用の拡大に取り組んできた。
カリフォルニア州では、FC大型商用トラックの実証実験に加え、バイオマスから水素・電気・水を生み出す発電施設「Tri-Gen（トライジェン）」の建設を予定している。
