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国分/初のバケット型冷凍自動倉庫を公開、人手不足解消

2018年10月03日/物流施設

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国分グループ本社は10月3日、フードサービス事業の物流を担う川口流通センター(埼玉県川口市領家)の内部と、同社初採用となった冷凍自動倉庫をはじめとする稼働中の設備を公開した。

<川口流通センター>
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同センターは、首都圏の給食事業者、高齢者施設、外食業態を中心とするフードサービス向けの三温度帯汎用センターとして、大和ハウス工業のマルチテナント型物流施設「DPL川口領家Ⅰ」の1階部分を賃借し、5月21日に稼働した。

昨今の深刻な人手不足や継続性のある物流事業の確立のため、少量多品種商品に対応した冷凍倉庫の自動化を図るとともに、自然冷媒を活用した環境配慮型のセンター。

主要設備であるバケット型冷凍自動倉庫は、村田機械製。8016個のバケットを収容する自動倉庫部分と、入出庫を指示する5基のステーションで構成している。

床面積600m2に16列×65連×8段の棚が8基設置されており、冷凍温度帯で取り扱う荷量の約半分を保管できる。

冷凍庫エリアで取り扱う商品のうち、出荷頻度の多いものはラックやパレットで保管し、冷凍自動倉庫では主に出荷頻度が少ない多品種少量品を扱っている。

足元の稼働率は8割程度で、今後、関東圏の他センターから荷物を移設するなどして、順次、稼働率を引き上げていく。

センターの運営は、24時間365日稼働のため、人員の採用が難しい夜間の人手不足解消や、作業の連続性の確保、作業精度の向上を図る目的で導入を決定。バラ単位の商品にもフレキシブルに対応できる点を踏まえ、バケット型を採用した。

<竹林センター長>
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バケット型冷凍自動倉庫について、センター長の竹林正幸氏は「設備の立ち上げ当初はメーカーと一緒にシステムの修正を重ね、7月中旬くらいから安定稼働できるようになった。国分として冷凍自動倉庫の導入が初めてのため、今は一つ一つ勉強し、ノウハウを蓄積している」と、運用の状況を説明した。

<GAS(ゲートアソートシステム)>
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商品を配送先ごとに仕分けるGAS(ゲートアソートシステム)は、川口流通センターへ機能を移管した三郷第2センターで稼働していたものを移設した。

ゲート数は864間口。川口流通センターでは最も取扱が多い顧客で600店舗分、1700アイテムを扱っているため、GASを用いて多店舗同時仕分けを行うことで、生産性と作業精度の向上を実現している。

<中仕分けソーター>
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<オリコン洗浄機>
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<段ボールプレス機>
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そのほか、中仕分け用のソーターやオリコン洗浄機、段ボールプレス機など、庫内作業の省人化に寄与する設備が稼働している。

<外観>
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外食事業や受託給食事業者を客先とするフードサービス事業の汎用センターである川口流通センターは、荷量の増加によって狭隘化が進んでいた旧三郷第2センターを全面移管し、床面積を1.25倍に増床したことで、拡大する顧客の取り込みを可能にしている。

取り扱う商品の9割は受託給食事業者向けで、残りが外食事業者向け。

2017年2月に開設した相模原流通センターとの2拠点体制で、関東圏2300店舗への配送に対応している。

<常温庫>
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<冷蔵庫>
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倉庫の温度帯管理は常温・冷蔵(7℃前後)・冷凍(マイナス18℃)の3温度帯に加え、庫内の一角に超低温ストッカー(マイナス60℃)を設置し、冷凍マグロなどの一部取扱にも対応している。

温度帯ごとの在庫量は常温が2350アイテム(1万3800ケース)、冷蔵が250アイテム(1800ケース)、冷凍が2750アイテム(2万4500ケース)。

現在、関東の他センターから段階的に荷物の移管を進めており、12月までに取扱額を120億円まで引き上げる予定。取扱額は最終200億円を目指す。

<免震装置>
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そのほか、免震装置によって地震被害を最小化。冷蔵・冷凍設備には自然冷媒を採用し、環境に配慮している。

<周辺図>
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首都高速川口線東領家ICから900m、鹿浜橋ICから2.8kmの距離にあり、都心部や千葉方面へのアクセス性を考慮した立地となっている。

移管前の旧三郷第2センターよりも都心寄りに立地しているため、施設の賃料や一人当たりの人件費が従来比で増えている。

そのため、今後は施設の稼働率を引き上げるとともに、ロボットによる作業の自動化にも取り組む考え。

現在、国分の物流統括部では物流センターの自動化推進に向けて、マテハン設備の研究を進めており、今秋から関東圏の他センターで追従型自動搬送システム等のロボット試験導入を開始した。

今後、試験導入の結果を踏まえて川口流通センターにも同様の設備を順次導入し、生産性の向上を図っていく。

■国分川口流通センター概要
所在地:埼玉県川口市領家5-14-35(DPL川口領家Ⅰ 1階)
対応カテゴリー:冷凍食品、チルド、生鮮、加工食品、菓子、酒類、日用品など
対応業態:給食事業者、高齢者施設、外食、メーカーなど
配送エリア:関東
稼働開始:5月21日
延床面積:1万5438m2
冷凍庫:4493㎡
冷蔵庫:5168㎡
常温庫:3524㎡
事務所:507㎡
バース:1745㎡(常温4基、冷蔵28基)
マテハン設備:バケット型冷凍自動倉庫、GAS、中仕分けソーター、入荷受付システムなど
設備投資額:5億5000万円

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