大和ハウスグループは12月14日、東京ミッドタウンで開催された「2018 TRON Symposium」の中で、「Intelligent Logistics Center『ダイワロジテック:物流ロボット プログラミングコンテスト』」をテーマにトークセッションを行った。
セッションにはダイワロジテックの秋葉淳一社長と、大和ハウス工業の竹林桂太朗東京本店建築事業部長、Hacobuの佐々木太郎代表取締役が登壇。
ダイワロジテックの秋葉社長は、「日本の労働人口は1日に2125人ずつ減少し続けており、物流業界での省人化・自動化対策は今後に欠かせない課題。デジタル(機械)は属人と比べて成功体験を流用しやすい利点があり、今後は人間が意思決定や戦略立案、経営判断などを行い、デジタルと役割を棲み分けることが重要になる」
大和ハウス工業の竹林東京本店建築事業部長は、「高度成長期に工場内の保管施設だった物流施設は、eコマースの発展など時代に応じて在り方を変え、今ではマルチテナント型など大型の施設へと変化している。今後は、人手不足や自動化対策などソフト面の強化がより重要になってくる」
Hacobuの佐々木代表取締役は、「物流業界のドライバー不足は10年後さらに深刻な状況となり、現在よりも33%の生産性向上が必要になる。Hacobuが提供するMOVOは、アナログ情報をデジタル化するとともに、デジタル情報のプラットフォームを構築することで、物流全体を最適化することができる。すでに流通大手の物流センターなどで採用が進んでおり、今後もシステムの拡充を図っていく」と、それぞれが取り組む事業の観点から、物流業界の課題や今後の展望を語った。
その後は、東洋大学情報連携学部INIAD学部長などを務める坂村健氏による進行のもと、3者によるディスカッションが行われ、物流業界での人手不足や賃金上昇といった課題に触れた上で、解決に向けて、「従来の人手ありきの物流支援システムとは異なり、今後は無人化を前提にしたシステムが必要」「オープンプラットフォームによる共創が、情報のデジタル化を促進するカギになる」といった発言があげられた。
また、12月20日から行われるダイワロジテックの物流ロボットプログラミングコンテストについて、「企業、個人、業界を問わず、さまざまな分野から多様なアイデアを募りたい」「自分達が世の中を変える、といった意欲の高い人間からの応募を待っている」といった期待を寄せた。
2018 TRON Symposiumは、トロンフォーラムの主催で12月12日~14日にかけて開催。展示会場にはメーカーやサービス提供者、大学、研究機関、政府、自治体などが、IoTを実現するための組込みシステムやクラウドシステムを出展した。
NXHD/7月の国際航空貨物取扱実績、グローバル合計42.9%増