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CBRE/アジア太平洋で冷蔵倉庫は食品オムニチャネル販売で拡大

2019年10月09日/調査・統計

CBREは10月9日、特別レポート「アジアパシフィック冷蔵倉庫 – 投資家向けガイド 日本語抄訳版」を10月8日に発刊したと発表した。

<アジア太平洋地域における主な冷蔵倉庫(コールドストレージ)プレーヤー>

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それによると、近年、温度に敏感で傷みやすい消費財について、温度管理されたサプライチェーン製造、加工、輸送、流通を含むの構築が進んでいるとしている、この、温度管理された物流網は「 コールドチェーン 」と呼ばれ、その対象となる商品の保管、梱包、および出荷を行う倉庫が、冷蔵倉庫コールドストレージと定義。

<オンラインおよびオフラインの小売業者によるオムニチャネル分類>

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需要について、アジアでの中間所得層の拡大により、同地域で国内外の高級食材に対する需要が高まっている。アジア太平洋地域の食料品の輸入額は2018年に3730億米ドルに達し、特に高額食品の輸入が大きく増加した、としている。例えば、イチゴや ブラックベリーなどベリー類のアジア太平洋地域への輸入は、2013年から2018年にかけて毎年75の増加を記録した。

今後はオンラインの食料品販売がますます拡大するとみられるものの、店舗での食料品販売もまだまだ伸びる余地があるとCBREではみている。実際、食料品のオンライン小売業者も、顧客層の拡大ならびに配送サービスの強化のため、 実店舗への出店を拡大している。

中国、日本、韓国では、ヘマ、7 Freshなどのオムニチャネル食料品の流通が急速に拡大している。また、オーストラリア、インド、東南アジアでもこの分野を拡大しようという動きがみられていると分析。

同時に、従来のスーパーマーケットの中には、利便性と人口構造の変化に対応するため、ダウンタウン地区により小規模な店舗をオープンするという動きもみられる、としている。

また、コールドストレージは、温度に敏感な製品の貯蔵寿命を延ばすことにより、輸送、保管の無駄を省き、食品ロスを大幅に削減することも可能とする。主にコールドチェーン設備の不足が原因で、中国では2017年に食品ロスが150億米ドルに達した。中国における食品ロスの総量は、流通している食料品の約 20 であり、先進国の割合の3倍にのぼるという。

さらに、医療製品には、温度、湿度、および無菌性についての厳しい管理が必要とされる。コールドチェーンならびにコールドストレージを必要とするバイオ医薬品の販売額は、2018年に世界全体で3000億米ドルを超えた。この金額は今後、2023年まで年間8%以上と、一般医薬品の成長率の倍のペースで拡大すると予測されている。

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