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佐川グローバル/「ロボット×物流」でEC物流を変える

2019年11月28日/物流施設

佐川グローバルロジスティクス(佐川GL)は11月28日、埼玉県の蓮田営業所で12月1日から稼働予定の「蓮田ECプラットフォーム」を公開した。

新拠点では、1日あたりの出荷量が数百件程度の中小EC事業者を対象に、ロボティクスによる高効率・高品質のEC物流サービスを従量課金制で提供する。

<佐川GL蓮田営業所>

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<導入したGeek社製のAGV>

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<ゲートアソートシステム>

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<移動式商品棚>

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営業所の庫内に2640m2のスペースを確保し、ここに6か所のワークステーションと、Geek社製のAGV「EVE500」32台、移動式の商品棚574台を導入した。これらによって、商品が入った棚をAGVが作業者の元まで搬送し、作業者がモニタの指示に従って商品を出し入れする「歩かない・考えない」ピッキングと棚入れを実現。

人が歩いて棚まで商品を取りにいく従来方式と比較して、人員を約半分に削減したほか、生産性も3倍に向上。また、ゲートアソートシステム(GAS)の導入で作業内容を標準化したことでミスを削減し、サービス品質の向上も図った。

<商品棚を乗せたAGVが作業者の待つワークステーションまで商品を搬送する>

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<ワークステーションでの作業はゲートアソートシステム(GAS)で標準化されている>

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<白線上には赤外線センサーが張られており、足で触れるとGASの蓋が閉まる仕組み>

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サービスを利用することで、顧客はより少ない費用と準備期間でECセンターを立ち上げることができ、高い生産性を生かして即日配送など配送サービスの多様化や、販売チャネルの拡大、越境ECへの対応などが可能になる。

蓮田ECプラットフォームでは、最大30~40社程度のEC物流を受託可能。現時点で契約には至っていないものの、複数社と利用に向けた交渉が進んでいるもようだ。

<東京都江東区で建設中のX(エックス)フロンティア>

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佐川GLは、ロボティクスと物流を融合させた「シェアリング・フルフィルメントサービス」によって、社会構造等の変化を受けて拡大しているEC物流需要の捕捉を目指している。

蓮田のほか、2020年4月には東京都江東区で建設中の大型物流センター「X(エックス)フロンティア」内にもECプラットフォームを開設し、この2拠点での実績をもとに全国へ展開する方針だ。

Xフロンティアでは、スペースを蓮田の3倍に拡大。AGVやGASに加え、ロボットストレージシステム「オートストア」や自動梱包機などの導入を予定している。

<林取締役>

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佐川GLの林弘志取締役は「ECプラットフォームの設立には、我々がEC物流の未来の形を発信していくという強い思いがあった。蓮田の近隣やXフロンティアの施設内にはそれぞれ佐川急便の配送拠点があり、これらが一体となって配送ニーズに細かく応えていけるのが最大の強みだ。まずは、蓮田とXフロンティアをベースにモデルを作り、それを全国展開することでEC物流の形を変えていこうと思っている」とコメントした。

■蓮田ECプラットフォーム
所在地:埼玉県蓮田市大字根金728-1(佐川GL蓮田営業所内)
延床面積:2640m2(佐川GL蓮田営業所全体:3万4844m2)
アクセス:東北道「久喜IC」、圏央道「白岡菖蒲IC」から5㎞以内
設備:AGV32台、移動式商品棚574台、ゲートアソートシステム6台
開設日:12月1日

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