日本郵船は7月13日、日本船舶海洋工業会主催の「シップ・オブ・ザ・イヤー2020」で、LNG燃料自動車専用船「SAKURA LEADER(サクラ リーダー)」が最優秀賞にあたる「シップ・オブ・ザ・イヤー2020」を、国内初のLNGバンカリング船「かぐや」が「小型貨物船部門賞」をそれぞれ受賞したと発表した。
シップ・オブ・ザ・イヤーでは、日本でその年に建造された話題の船舶の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船が選考される。日本郵船のグループ船による「シップ・オブ・ザ・イヤー」の受賞は今回が8年ぶり3回目となる。
SAKURA LEADERは、LNG燃料と燃費良化のための船型改良によって、従来の重油焚き船と比べ、輸送単位あたり40%のCO2排出量削減が見込まれる。また、先進的なデジタル技術を備えた船舶に付与される船級符号「Digital Smart Ship(DSS)」を世界で初めて取得しており、環境とデジタル両面での最新鋭船舶となっている。
選考委員会委員長の池田良穂 大阪府立大学名誉教授は、SAKUR LEADERの受賞理由について「環境に優しいLNGを燃料とする自動車船として初めて日本国内で建造されたことを評価。最終審議では全会一致で同賞に選定した」と説明。
また、かぐやの受賞理由については「LNG燃料供給船としてSAKURA LEADERとセットで授賞することに意義があると考えた。LNGバンカリングは今後のインフラとして不可欠であり、それを担う第一歩となる重要な船として期待している」とコメントした。
表彰後の代表挨拶では日本郵船の小山専務執行役員が「今後のゼロエミッション船の建造は当社だけで進められるものではない。海事産業を支える皆様とその技術とともに、実現を目指すことで社会に貢献していきたい」と受賞の言葉を述べた。