LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





JA全農/遠隔地輸送の県域を越えた共同輸送実証を実施

2021年11月11日/3PL・物流企業

JA全農(全国農業協同組合連合会)は11月10日、九州産青果物の輸送において県域を越えた共同輸送実証試験を行うと発表した。

<実証実験の概要>
20211111zennou1 520x306 - JA全農/遠隔地輸送の県域を越えた共同輸送実証を実施

九州産青果物は、秋冬期と春夏期の貨物量の変動も大きく、特に閑散期や出荷初期・晩期においてはトラック積載率が低下するため、東京や大阪などの大消費地に届けることができなくなるといった「運べないリスク」を回避する必要がある。

このため、将来に向けた持続可能な輸送体系への転換に向けて、「県域を越えた共同輸送検証」を北部九州3県(福岡、佐賀、長崎)、全農物流と連携して行う。

実証試験の概要は、佐賀県農協、全農福岡県本部、長崎県本部と連携し、3県域(対象4JA)の青果物を各県域で集荷後、JA全農との業務提携先であるファーマインド福岡センターをハブ拠点として
集積、方面別にトラックを集約し首都圏、関西圏各卸売市場へパレット輸送する。

<九州広域SPにおける出火に係るタイムフローについて>
20211111zennou2 520x244 - JA全農/遠隔地輸送の県域を越えた共同輸送実証を実施

実証試験の目的は「トラック乗務員の法定拘束時間内での輸送に向けた、集荷便と幹線便の完全分離やパレット輸送」「積載率向上のための複数県域商品の大型車1車への混載」「商品品質保持に向けた産地出荷施設・ハブ拠点・卸売市場までのコールドチェーン」としている。

なお、現在、物流業界はトラック乗務員の不足が深刻となっており、将来的に乗務員の高齢化や担い手不足による物流の停滞が強く懸念されている。特に九州産地における消費地向けの青果物輸送において、県内集荷(積み合せ)に手間がかかり、消費地荷降し先まで遠距離(例:東京~福岡 1200㎞)であることから、トラック乗務員の1日の拘束時間が長時間に及んでいる。

また、2024年4月からの「働き方改革関連法」の運送業界への完全施行により、トラック乗務員の時間外労働上限規制が年960時間に抑えられ、乗務員1名で1日に運べる距離が制限されることとなるため、輸送の効率化に向けた取組みが重要となっていることが、今回の実証実験開始の背景にある。

■試験詳細
実施時期:11月9日~25日までの間
出荷県域:佐賀県農業協同組合、全農福岡県本部、全農長崎県本部
向先市場:関東市場(東京青果、荏原青果)、関西市場(大果大阪青果、大阪中央青果を予定
ハブ拠点:ファーマインド福岡センター(福岡市東区香椎浜ふ頭二丁目)
輸送会社:全農物流および実施県域輸送協力会社
検証協力:野村総合研究所

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース