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カスハラ被害/トラック関係は26.3%、暴言や煽り運転など

2021年12月14日/調査・統計

陸海空の交通・運輸・観光などの産業で働く約60万人が加盟する労働組合である全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は12月14日、カスタマーハラスメント(カスハラ)の悪質クレーム・迷惑行為に関するアンケート結果を取りまとめた報告書を公表した。

アンケートは5~8月にかけて実施。全国の各公共交通機関や物流、観光産業の現場で働く2万908名が回答した。調査結果では、交通・運輸・観光産業を支える現場の「キーワーカ―」に対する理不尽なハラスメントの実態が浮き彫りとなった。

<Q:直近2年以内でカスハラ被害にあった事がありますか?>20211214itfjc 1 520x223 - カスハラ被害/トラック関係は26.3%、暴言や煽り運転など

調査結果では、全体の46.6%が「直近2年以内に迷惑行為・悪質クレームなどのカスハラ被害経験あり」と回答した。迷惑行為にあったと回答した割合は、タクシー、バス、鉄道で半数以上に上り、トラックでは26.3%だった。

<Q:直近2年以内で迷惑行為は増えていると感じますか?>
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「直近2年間でカスハラは増加している」とした回答は57.1%で、航空、バス、トラック、鉄道の業種でカスハラをより実感しているという結果が出た。

<Q:最も印象に残っているカスハラ被害はなんですか?>
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<カスハラ被害の業種別特徴>
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印象的なカスハラの1位は「暴言」(49.7%)、2位は「同じ内容を繰り替すクレーム」(14.8%)、3位は「威嚇・脅迫」(13.1%)と続いた。カスハラの特徴は業種ごとに特徴が分かれており、鉄道やトラック、バス等では「SNS・インターネット上での誹謗・中傷」が多い傾向にあった。

自由回答では、トラック関係者から「制限速度を守って運転しているのに、一般の乗用車に後ろにつかれると、前が見えない分、すぐにあおり運転されてしまう。あおり運転の撲滅をしてほしい」といった声が上がった。

<Q:カスハラ加害者の性別・年齢は?>
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カスハラ加害者の性別と年齢は、「男性」が86.4%で、40代以上が約7割を占めた。

<Q:カスハラ被害体験後、心身の状態に何か変化がありましたか?>
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カスハラ被害後の心身の状態では、「嫌な思いや不快感が続いた」が50.0%と最多になった。中には「同じことが起こりそうで怖かった」や「寝不足が続いた」、「心療内科を受診」など深刻な影響が出るケースもあった。

<Q:カスハラに対してどのような対応をしましたか?>
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迷惑行為への対応は、「毅然と対応」(26.4%)、「謝り続けた」(23.7%)、「上司に引きついた」(22.4%)の3つに対応が分かれた。一方で、「何もできなかった」や「危険を感じて退避」といった声も多く聞かれた。

<Q:企業で実施されているカスハラへの対策は?>
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企業へのカスハラ対策では、「特に対策はされていない」が39.5%で最多となり、個人の負担の大きさが浮き彫りとなった。

<Q:コロナ禍で迷惑行為を受けた内容はどのような事ですか?>
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新型コロナウィルスによる、差別・偏見・誹謗・中傷などの迷惑行為被害については、4230人(20.2%)が「ある」と回答。消毒スプレーをかけられたトラックドライバーが143人、鉄道勤務者70人など現場での差別行為が多く、家族や本人の病院の受診・検査拒否(本人・家族)や、誹謗中傷といった声も多く寄せられた。

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