商船三井は2月9日、グループ会社の商船三井テクノトレードが保有・運航する燃料供給船「テクノスター」が、油籐商事より供給されたバイオディーゼル燃料(BDF)を用いた運航に成功したと発表した。
<「テクノスター」:二重底・二重船殻の燃料供給船。2017年竣工>
また、日本で初めて、日本海事協会(Class NK)によりこのBDF燃焼時に排出される窒素酸化物(NOx)が、MARPOL条約等での排出規制を満たしていることが認証された。
今回利用したBDFは、回収した廃食油をメタノールによってエステル交換し生成される脂肪酸メチルエステルを燃料として利用するもの。BDFはバイオマスエネルギーの一つであり、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出するが、原料の植物はCO2を吸収してバイオマスを再生産することから燃焼時のCO2排出量を削減できる。
今回供給されたBDFは、国内で初めてA重油との混合比率を3割以上に高めて利用し、これにより25~30%のCO2排出量削減を見込む。同社グループでは2021年6月に発表した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」において、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目標としている。
その実現に向け「クリーン代替燃料の導入」戦略を掲げており、バイオ燃料を化石燃料に替わる有効な代替燃料の一つと位置付けている。今後BDFのみならず新規代替燃料の導入を積極的に進めることで、自社からのGHG排出削減のみならず、顧客や社会の環境負荷低減のニーズにも応えていくとしている。
商船三井ほか/風力推進補助装置を既存ケープサイズバルカーへ搭載完了