グローバル不動産企業のHinesは2月9日、愛知県弥富市に「弥富ディストリビューションセンター(DC)」を開発すると発表した。
名古屋港近くで、最新スペックの平屋建て2万5000m2の既存物流施設と、物流施設開発用地を取得した。同用地には4階建て22万5000m2の施設を開発する計画。現在、新規開発の設計と許認可申請を進めており、3月の起工を予定している。
弥富DCは、常温・低温商品の保管に携わる企業や、ラストワンマイル物流企業、地域配送に携わる大手企業をターゲットとしている。
新築する4階建て22万5000m2の物流施設は、最大6.5メートルの天井高、2トンを超える床荷重、レイアウトに関する豊富な選択肢を備え、ランプウェイによる全階層へのトラック乗り入れにも対応する。
また、同施設では3層にわたる次世代アメニティエリアも計画しており、屋内と屋外の飲食スペースや、テナントのための休憩スペースとビジネスラウンジ、会議室、テナントのためのシャワー施設を整備。
さらに、LEED Silver Certificationを目指しており、再エネ発電設備と廃水の再利用設備を設置するほか、施設全体で機械、電気、配管システムのエネルギー利用を最適化する。
一方、既存の平屋建て2万5000m2の物流施設は、10mの天井高と両面バースを備えており、日本の物流市場での希少性を有している。
Hinesは、1957年に設立されたグローバルな不動産投資会社。世界27か国255都市で事業を展開しており、これまでに1486件(総面積4億9200万平方フィート超)の不動産の開発、再開発、取得に携わり、現在も世界各地で171の開発案件を進行している。
産業・物流セクターには世界中で5000億円近くを投資しており、総面積4300万平方フィートを超える60件以上の取得を完了。また、設計中のものから完成物件まで計36物件・総面積2500万平方フィートの開発ポートフォリオを有している。
同社が日本で物流施設を取得・開発するのは今回が初めて。アジア太平洋地域では直近1年間で5件目となる物流施設への投資となる。
弥富DCの開発について、Hinesのドリュー・ハフマン マネージングディレクターは「物流業界では配送拠点の選択基準が変化してきており、最先端のスペックとサステナビリティを備えた施設であることが人材確保の観点からより重視されるようになってきている。Hinesは、このような要求を期待以上に満たすとともに、物流業界にとって最重要課題である商品の迅速かつ効率的な配送を実現するため、最先端スペックの天井高、床荷重、フレキシブルなレイアウトを提供したいと考えている」とコメント。
また、Hinesの日本代表を務める田中ジョン シニア・マネージング・ディレクター兼カントリーヘッドは「日本の物流市場はHinesのアジア太平洋地域での継続的な拡大にとって魅力的な投資対象。既存の施設が老朽化し、ECへの需要が好調であることを踏まえ、Hinesは特に次世代のESG重視型施設への需要が引き続き成長すると予想している。ここ日本での物流施設の供給を引き続き拡大できるものと楽しみにしている」と述べた。