LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





日本郵船/アンモニア専用浮体式貯蔵・再ガス化設備を研究開発

2022年08月22日/IT・機器

日本郵船と日本シップヤード、日本海事協会、IHIの4者は8月22日、浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備搭載バージ (A-FSRB: Ammonia Floating Storage and Regasification Barge)の実用化に向け、共同研究開発契約を締結した。

<A-FSRB外観イメージ図>
20220822nyk 520x307 - 日本郵船/アンモニア専用浮体式貯蔵・再ガス化設備を研究開発

4者は世界初となるアンモニア専用の浮体式貯蔵・再ガス化設備を搭載したバージの研究開発に取り組む。

共同研究開発に関する各者の取組みは、日本郵船が、プロジェクトマネジメント、ベースデザインの決定、法規対応の検討、経済性評価。

日本シップヤードが、船型開発/機器配置検討、Utility機器検討。

日本海事協会が、安全性に関する技術検証(規則適合確認)、ガイドラインの整備。

IHIが、アンモニアの払出/気化プロセス作成、気化プロセスに必要な機器情報の提供、必要なUtility機器の情報提供。

今後の展望として、国内電力会社が取り組む石炭火力発電所へのアンモニア混焼導入時のソリューションとなることを目指し、研究開発を推進していく。

なお、アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されており、国内ではCO2排出の削減に寄与する革新的な次世代火力発電技術として石炭火力発電所でのアンモニア混焼発電に向けた技術開発が進められている。

一方で、アンモニアを既存の火力発電所で使用するに際し、新たな陸上設備(貯蔵タンク、再ガス化設備、等)の用地確保の問題や、その初期投資額の大きさといった課題がある。

A-FSRBは産地から液体として輸送されたアンモニアを洋上で受け入れて貯蔵し、需要に応じてアンモニアを温めて再ガス化し陸上のパイプラインへ送出できる洋上浮体設備だが、陸上にアンモニア貯留基地を建設するのと比べ、低コストかつ短期間に導入可能だ。陸上設備の代替としてA-FSRBを活用することで、燃料アンモニアの早期の安定供給に寄与することが期待されている。

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース