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日野/エンジン認証で新たな不正判明、小型7万6000台出荷停止

2022年08月22日/IT・機器

日野自動車は8月22日、エンジン認証に関する追加不正事項について、緊急記者会見を行った。

対象機種は、「小型エンジン「N04C(HC-SCR)/2019 年モデル」※2016年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期規制/E9)。同エンジン搭載の小型トラック「日野デュトロ」についても、今日から出荷を停止する。

<右から 、小木曽聡 社長、品質本部の玉木豊久 本部長、コンプライアンス推進担当の中根健人 取締役・専務役員>
20220822 hino1 520x149 - 日野/エンジン認証で新たな不正判明、小型7万6000台出荷停止

会見には、小木曽聡 社長とコンプライアンス推進担当の中根健人 取締役・専務役員、品質本部の玉木豊久 本部長の3名が出席。冒頭、小木曽社長は「調査報告をした後に、新たな不正が判明したことは重大かつ深刻であり、弁解の余地もない」と陳謝した。

追加判明事項は、排出ガス認証申請に際し、1.劣化耐久試験の各測定点において排出ガス測定を2回以上行う必要があるところ、測定回数が不足している測定点があった、2.劣化補正値の算出の際にそれらの測定データを使った算出が求められるところ、各測定点で1回分の測定データにより算出していたこと。その原因として同社は「関連法規の理解不足、規定・標準類の不備、認証プロセスの適正性を確認する仕組みの不備であった」と説明した。

日野デュトロは、2019年に発売した国内向けのモデルで、不正の対象台数は7万6694台(7月末時点)。同エンジンはトヨタ自動車 小型トラック「トヨタ・ダイナ」および「トヨタ・トヨエース(2020年3月まで販売)」にも搭載されているが、積載量1.5トンクラスについては、トヨタ製GDエンジン搭載のため対象外となる。

同社は、エンジン認証不正問題に関する特別調査委員会の調査報告ならびに自社の技術検証状況を8月2日に公表し、翌8月3日から国土交通省の立ち入り検査を受けていた。既に大型・中型トラックの出荷を停止しており、不正対象車両は、これまでの約57万台から、約64万台に拡大した。

<影響台数)
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今回の不正判明による、現行モデルへの影響台数は、車両用産業用あわせて14機種/14機種となり、リコール対象は5機種/14機種。同社は年間約10万5000台(2021年度実績)のトラックを生産しているが、今回の不正を受け、国内向けトラックの約6割が出荷停止となった。

今後、国土交通省は「引き続き立ち入り検査のなかで対象エンジンの基準整合性の確認を行い、その結果を踏まえて厳正に対応する」としており、日野自動車の生産再開の目途は現在のところたっていない。小木曽社長は、今後の対応について「我々が調査を行い、正すべきところは正し、自動車メーカーとしてできることを徹底してやっていく。今回の問題を契機として、企業風土、組織、人材育成などゼロから、いま一度やっていく」と決意を述べた。

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