コマツは1月18日、栃木県小山市の「コマツ栃木工場」で、新型リチウムイオン電池搭載の電動式フォークリフト2モデルの初号機出荷式を開催した。
この電動フォークリフトは「FE25G」、「FE30G-2」の2モデル。
出荷式を前にして、新モデルの発表会を開催。挨拶に立った同社の吉澤秀樹執行役員国内販売本部長は「2023年1月はコマツがフォークリフトを発売して70周年を迎える記念すべき年で、今後一層のサステナビリティに基づいた経営を目指している。今回、新型リチウムイオン搭載の電動式フォークリフト2モデルを発売したが、これまでにない、付加価値の高いモデルとなっている。顧客から寄せられた課題に真摯に取り組み、バッテリーを入れ替えただけではない、コマツのこれまでの結晶ともいうべき新製品となっている。そして、カーボンニュートラルではトップランナーとなる」と新モデルを熱く紹介した。
大きな特徴の一つが、これまで非力だったバッテリー充電時間を大幅に短縮したことだ。バッテリー容量が20%から100%にするまでに1口充電で約4分の1に短縮。さらに新たに採用した2口充電では8分の1にまで短縮している。バッテリー寿命も鉛と比べて3倍以上となっている。
また、走行モーターの高出力化を実現し、エンジン式フォークリフトに匹敵する走行性能を得ている。走行性・耐水性・防塵性でも向上を図り、後輪タイヤサイズをアップし、エンジン車同等の走破性を実現。防水保護等級IPX4をクリア。密閉タイプのモーターやコントローラー、密閉湿式ブレーキ、建機同様のコネクタの採用で防水性・防塵性を実現。従来機のドラムブレーキでは構造上どうしても水・ホコリが入るため、定期的なメンテナンスとコストが必要だったが、それを解消したものだ。
<アクセルワンペダルモードの様子(動画)>
さらに、運転者の長時間の疲労軽減では、アクセルワンペダルモードを搭載し、踏めば進み、離すとブレーキがかかる仕組みとしている。
EVでは鉛とリチウムイオン、そしてエンジン式と、これまでフォークリフトは現場の状況に応じて使い分けてきたが、この新型リチウムイオンバッテリーにより、これまで課題とされていたものを払拭。コマツの現在のフォークリフト販売では、すでに電動車販売比率が75%に達しているという。同社では、今後ますます電動式フォークリフト市場が拡大し、カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速するものとみている。
<九州方面の顧客向けに初出荷の様子(動画)>
販売目標は200台/年(国内のみ)、公表価格はFE25G-2(2.5トン車 標準仕様・定置式急速充電器1台)860万円、FE30G-2(3.0トン車 標準仕様・定置式急速充電器1台)990万円。
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