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ESR/横浜市幸浦に19.5万m2の人と環境にやさしい物流施設竣工

2023年02月01日/物流施設

ESRは2月1日、神奈川県横浜市金沢区幸浦に建設中だった敷地面積9万282m2(2万7310坪)、延床面積19万5374m2(5万9100坪)の4階建てマルチテナント型物流施設「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター2」(横浜幸浦 DC2)が1月31日に竣工したと発表した。

<「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター2」外観>
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<位置図>
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「横浜幸浦 DC2」は横浜市の最南端である金沢区の東京湾に面した約33万m2(10万坪)の広大な土地に4期に分けて計画されている物流施設の2期目で、昨年1月31日に竣工した1期(ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター1、以下 DC1)と併せて、一大ロジスティクスパークの半分が完成した。

「横浜幸浦 DC2」は、国道357号線、16号線が至近で横浜横須賀道路「並木 IC」より約2.5km、首都高速道路湾岸線「杉田IC」より3.0km、横浜港より15km、羽田空港より31km、横浜中心部まで13km、東京都心まで 46kmと陸・海・空の輸送インフラも整っており、日本の物流・国際貿易・経済にとって大変重要なエリアにある。また、昨今の新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより政府・企業にとって最重要課題となった、サプライチェーンの再構築や頑健な供給網構築に寄与できる立地条件も満たしている。

なお、開通時期が現在協議中ではあるが、横浜環状南線(戸塚IC〜栄JCT〜釜利谷JCT)の開通により圏央道に直結し、東名高速道路他、主要幹線道路へのアクセスが格段に向上する予定だ。

<中央車路>
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<倉庫(1-3 階)>
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施設は物流運営の効率性と汎用性を重視した設計を行っている。45フィートのコンテナトレーラーも走行可能な上り下り専用ランプウェイを結ぶ中央車路・センターバース式によって、各階へ一方通行でアクセスできるようになっている。荷物の積み下ろしのためのトラックバースは、各階50台設置。全フロア1mの高床式倉庫でバースの奥行は14.5mを確保。ドックレベラーは各階将来対応含め20基まで設置可能。また、敷地内には海上コンテナトレーラーに対応できるエリアも含め、トラック待機場を計54台備えている。

倉庫については、床荷重は1階が2.0t/m2、2階-4階が1.5t/m2を確保し、全ての階で2.5tのフォークリフトが走行可能。梁下有効高は1階-3階が5.5m、4階が5.5m〜6.4m、柱スパンは間口11m×奥行き11.1m、最上階の4階は柱本数が少なくワイドスパンでより使い勝手の良い空間になっている。荷物用エレベーターは各階最大10基まで、垂直搬送機は各階最大12基まで設置可能で、高い縦搬送能力も備えている。最小賃貸区画は約920坪、半フロア約6500坪 からワンフロア約1万3000坪の中で豊富なプランの提案が可能。また、特別高圧電力の供給により、ロボティクス、冷蔵冷凍設備、倉庫内空調、ハイスペックな物流システム導入など入居企業の多様なニーズに応えることができる。

<景観に配慮し DC1(右)と連続性のある外観デザイン>
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<保存・改修をしたガントリークレーン >
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外観デザインは横浜のシンボルである海のさざ波をイメージし、白を基調に青を配色させ、地域の景観に配慮し地域文化と調和するだけでなく、横浜幸浦DC1とDC2に連続性を持たせるデザイン構成にした。

東京湾に面し、敷地南部に座している長年実際に使用されていたガントリークレーンを産業遺産ととらえ、この地域の記憶を継承する横浜幸浦 DC のシンボルとして保存し、改修。今後、照明デザイナーによるライトアップとプロジェクションマッピングでガントリークレーンを演出することも検討している。

<南ラウンジ(3階) >
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<スカイデッキ>
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<北ラウンジ>
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<滑り台、クライミングスロープ、砂場のある園庭>
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<各階に女性用パウダールームを設置>
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さらに、ESR は「HUMAN CENTRIC DESIGN.(人を中心に考えたデザイン)」を基本理念に、同社施設で働くすべてのワーカーにとって快適で安全性の高い職場環境・サービスの提供に力を注いでいる。「横浜幸浦 DC2」ではワーカー用の休憩ラウンジ「KLÜBB Lounge(クラブ ラウンジ)」を南側3階・4階と北側4 階の3か所に設置し、各ラウンジ内にはお弁当や飲み物などを販売するショップ「KLÜBB Shop(クラブ ショップ)」も完備している。

ESRの子育て世代の支援策として延床10万m2以上の施設に導入している託児所「BARNKLÜBB(バーンクラブ)」は、ガントリークレーンと海を臨む1階に設置。園庭には滑り台、クライミングスロープ、砂場などを設け、保育室は大小様々なアーチ型にくり抜いた壁によってゆるやかに仕切られており、子供達が生き生きと楽しめる空間デザインとした。

そして、ESRとして初めてマシンジム型フィットネス「KLÜBB Fitness(クラブ フィットネス)」を導入。同施設で働くワーカーは無料で利用できる。その他、女性用パウダールーム、コインランドリー、ワークブース、ドライバーが利用できる休憩室、喫煙室、シャワー室、トイレも完備している。

<メインエントランスホールは船着き場をイメージ>
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<サブエントランスホールは光を活かし近未来をイメージ>
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南北に2か所ある建物エントランス前にはスロープと優先駐車スペースを設置し、館内にもバリアフリートイレなどバリアフリー設備を備え、車いすユーザーや障害がある人にも配慮している。さらに、普通自動車用の駐車場479台(内、優先駐車スペース4台)、駐輪場200台分を用意し、ワーカーの通勤利便性向上もサポートする。

最寄り駅の金沢シーサイドライン「並木北」駅から約 1.2km(徒歩約10分)と通勤もしやすく、横浜市及び近郊、京急本線・根岸線沿いのベッドタウンの豊富な労働人口を背景に雇用確保にも優位な立地だ。

<DC1の「金沢の森」>
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環境への取り組みでは、全館LED照明、環境配慮型照明システムを導入し、外壁には断熱性の高い金属サンドイッチパネルを採用するなど環境や省エネルギーに配慮し、その評価として、CASBEEAランク、BELS5 最高位5スター、ZEB(太陽光含め173%削減)も取得している。

建物屋上には太陽光パネルを設置し、5MW規模の自家消費型太陽光発電所を稼働させる計画で、JQA(日本品質保証機構)によるグリーン電力発電設備認定も受けた後にESR独自のグリーン電力証書発行システムを通じ、環境付加価値を取引する予定だ。敷地境界線に緑地帯を設けるなど緑化計画を積極的に取り入れ、季節の移ろいを楽しみリラックスしてもらう環境としてDC1で保存・再生した「金沢の森」は横浜幸浦DC2のワーカーにも開放する。

<免震装置の見学エリア >
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災害に強い施設として、DC1同様に「横浜幸浦 DC2」でも免震構造を採用し、大地震時に顧客の資産とワーカーの安全を守り、建物の損傷を軽減させる効果が期待できる。安全な施設であることをワーカーにも見てもらえるよう、南側エントランスホールにコンテナをイメージしたデザインの免震装置の見学エリアも設けた。

BCP(事業継続計画)対策として、非常用自家発電機を備え、停電時でも防災センター機能、事務所の照明・コンセントと倉庫の照明・荷物用エレベーターの一部、給排水ポンプ等が24時間以上使用可能な保安用電源を確保できるようにしている。

湾岸の施設にとって重要な津波対策として、ハザードマップの想定津波高を上回る倉庫床レベル(高床倉庫)を確保し、浸水被害リスクに備えている。また、受変電設備として東西ランプ内に架台を設けキュービクルを設置し、給電停止リスクを低減。ラウンジには災害等で停電になった際には人的操作で自販機内の商品を搬出することができる災害救援自販機を導入した。館内にはAEDを設置し、人命救助措置を行える。

■概要
名称:ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター2
所在地:神奈川県横浜市金沢区幸浦1-8-3
敷地面積:9万282m2(2万7310坪)
延床面積:19万5374m2(5万9100坪)
用途地域:工業地域
構造:地上4階建・PCaPC造・免震構造
工事期間:2021年6月1日〜2023年1月31日
企画:ESR(スチュアート・ギブソン、武田諭、山﨑拓生)
設計:塩浜工業一級建築士事務所
[ラウンジ・託児所・スカイデッキ]タカトタマガミデザイン
施工:塩浜工業
アクセス:【車】首都高速湾岸線「杉田IC」より3km/横浜横須賀道路「並木IC」より2.5km
【電車】金沢シーサイドライン「並木北駅」より1.2km(徒歩10分)

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