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商船三井/アフリカへ農機送るKiliMOLの取り組みがJICAに採択

2023年02月27日/国際

商船三井の社員提案制度から生まれた「アフリカへの農機輸出事業」を行う KiliMOL(キリモル)は2月27日、唐沢農機サービスと応募した「ケニア国田植機利用のための育苗技術開発と田植機を活用したビジネス化実証事業」において、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の実施する「中小企業・SDGs ビジネス支援事業」に採択されたと発表した。

JICAとの契約開始後約1年間かけて、田植え作業の機械化が遅れているケニアで田植機の普及を目指し、ケニア政府関係省庁とも連携しながら、最適な育苗方法の調査・実証を行い、顧客候補・パートナーの開拓、田植機使用方法のレクチャー等を実施する。田植機を活用したサービス提供などビジネスモデルを検証する。

<2022年9月にケニアで実施した田植機のデモンストレーションの様子>
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ケニアでは米の消費が伸び、国内生産量も増加している一方で、未だ消費量の約80%を輸入に頼っていることから、ケニア政府は稲作灌漑地域の拡大を図っている。一方、現在ケニアでは田植えはほぼすべて手作業で行われており、その拡大ペースに人手が追いついていないのが現状。また、等間隔でない条間により除草作業が非効率になっており、これらが生産コストの増大に繋がっていることから、田植えの機械化により大きな生産性向上の余地がある。

KiliMOLは、既に中古の乗用式・歩行式田植機を日本から現地に輸出し、唐沢農機と連携しながら現地で技術支援を行っている。同支援事業を通して、現地に合ったやり方で大規模な育苗環境を整備することで、田植機の普及を促進させ、農業の生産性向上、ひいては飢餓や貧困の削減への貢献を目指す。

KiliMOLは、商船三井の社員提案制度から生まれた「越境ECサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業」の運営会社として2021年5月に設立。現在はケニアでの需要開拓に注力している。商船三井の自動車船や商船三井ロジスティクスの輸送ネットワークを活用し農機を輸送し、現地到着後は自社トラックで陸送する。商船三井グループのアフリカ・ケニア拠点での活動を強化することで、アフリカで農機輸出事業に留まらないビジネス領域の拡大を目指している。

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