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オリックス不動産/茨城県常総市の工業団地に物流施設完成

2023年03月01日/物流施設

オリックス不動産は3月1日、茨城県常総市で竣工したマルチテナント型物流施設「守谷IIロジスティクスセンター」を報道陣に公開した。

<外観>
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同施設は、最大2テナントが入居可能な地上3階建て延床面積2万3727m2のマルチテナント型物流施設。1月31日に竣工しており、今回が初の内部公開となった。

常磐自動車道「谷和原IC」から4.2kmの内守谷工業団地地区内に位置しており、国道16号と圏央道を用いた首都圏全域への配送が可能。周辺には、隣接する森永乳業をはじめメーカーの工場が多く(同施設の建設地もインク工場跡地を取得したもの)、各メーカーの荷物を扱う物流企業や保管倉庫兼配送センターのニーズが高いエリアとなっている。進捗中のリーシングでも入居希望者からの引き合いが多く、今後半年をめどに企業誘致の完了を目指している。

オリックス不動産による内守谷工業団地地区内での物流施設開発は2016年3月に竣工した「守谷ロジスティクスセンター」(日本通運が1棟利用中)に続いて2棟目となる。

<倉庫内観>
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<トラックバース>
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<荷物用エレベーターと垂直搬送機>
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建物は、地上3階建てのボックス型で、1階に28台分のトラックバースを配置している。バース部分はスパンを拡張し、大型トラック(10t車)の接車を可能にした。2・3階には荷物用エレベーターと垂直搬送機(各2基)を使って荷物を搬送する。垂直搬送機は、入居企業のニーズに応じて増設が可能になっている。

庫内では、雇用確保のために庫内空調設備を設置するテナントが増えていることから、あらかじめ壁面に空調設備を設置するためのダクト貫通孔を設けている。あわせて、同施設ではテナント従業員の自動車通勤を想定し、敷地内に83台分の普通自動車駐車場を確保しており、庫内空調設備と合わせてテナントの雇用確保に優位性を持たせている。

<100%再生可能エネルギー由来電力の提供スキーム>
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近年、オリックス不動産は「環境配慮型物流施設」を開発のコンセプトとして打ち出し、施設内で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力で賄える仕組みを構築。守谷IIロジスティクスセンターでも同様の仕組みを採用している。

同施設では、屋根に第三者所有モデル(PPAモデル)で879.32kWの太陽光発電システムを設置し、発電した電力を施設内で自家消費するほか、夜間や天候の影響で電力が不足する場合にはオリックスから非化石証書付き(トラッキング付き)の電力を供給することで、施設内で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力で賄い、入居テナント企業へ100%再生可能エネルギー由来の電力の環境価値を譲渡している。

また、駐車場にはEV(乗用車用)の充電スタンドを4基を設置するなど環境配慮に取り組んでおり、CASBEE(新築)Aランクの取得を予定している。

そのほか、BCP対策として24時間稼働想定の非常用発電機を実装し、非常時の荷物用エレベーターや一部照明の使用電力を確保している。

<従業員向け駐車場(手前4台分がEV用)>
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<投資開発事業本部の久保田 副本部長>
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守谷IIロジスティクスセンターでは、今回の報道公開に合わせて、オリックス不動産 投資開発事業本部の久保田 勲 副本部長などが登壇し、同施設について説明を行った。

久保田 副本部長は、同施設の開発理由について「常磐道と圏央道の接続による首都圏への配送ポテンシャル向上」「つくばエクスプレス沿線からの雇用確保」「茨城県による企業誘致制度」の3点を挙げた。

また、物流施設開発については「デベロッパーの新規参入で供給量が増加しており、以前に比べてリーシングの期間が長期化しているが、施設の建て替えや移転、EC市場の拡大、環境への配慮など、物流施設には未だ多くの需要が見込める」とコメント。

今後については、2024年問題の解決に向けて物流企業による長距離輸送区間での中継拠点ニーズが見込めることから、「東名阪に限らず静岡県なども新たに開発候補として検討し、テナントのニーズを汲み取りながら施設開発を進めていく」と語った。

<中国HIKROBOT(ハイクロボット)製の重量物対応AGV>
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<ZMPの自動搬送ロボット「CarriRoAD」>
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<三菱ロジスネクストの新型フォークリフト>
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<ラピュタロボティクスの協働型ピッキングアシストロボット>
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また、取材当日は入居検討企業向けの施設見学会もあわせて実施され、施設の内覧に加えてオリックスグループのオリックス・レンテックによるAGV等のデモンストレーションや、同じくグループのワコーパレットによる物流機器の展示などが行われていた。

■「守谷IIロジスティクスセンター」概要
所在地:茨城県常総市内守谷町3950-3(内守谷工業団地地区内)
交通手段:常磐自動車道「谷和原IC」4.2km
関東鉄道常総線「小絹駅」3.9km
つくばエクスプレス「守谷駅」8km
関東鉄道バス「内守谷工業団地入口」バス停から450m
敷地面積:1万4236.09m2
延床面積:2万3726.95m2
規模・構造:地上3階建て、鉄骨造
その他仕様:床荷重1.5t/m2、梁下有効高5.5m、一般駐車場83台、全館LED照明、非常用発電機、太陽光発電設備、EV充電スタンド4基
設計・施工:錢高組
着工:2022年2月1日
竣工:2023年1月31日

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