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ヨコレイ/千葉市に2.5万m2、未来担う次世代型冷蔵倉庫竣工

2023年03月01日/物流施設

ヨコレイは3月1日、千葉県千葉市に建設していた「ちばリサーチパーク物流センター」が完成したと発表した。同施設のコンセプトは「省人化・省力化に特化した地球にやさしい次世代型冷蔵倉庫」。同日、竣工式が開催され、メディア向けに内部が公開された。

同センターは、東関東自動車道の佐倉ICから6kmに位置し、首都圏をはじめ圏央道を経由して北関東や東北へもアクセス可能、茨城県の大洗港-北海道間のフェリー貨物の取り扱いも見込める物流の要衝の地だ。

<「ちばリサーチパーク物流センター」外観>
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外観は、千葉市若葉区に咲く菜の花をイメージした黄色と黄緑色をあしらった爽やかな印象。1.9万m2の敷地に3階建て、延べ床面積は2.5万m2。「次世代型」たる所以は、施設2階部分に同社初となる「デバンパレタイズシステム(DPS)」を導入したこと。同システムは、積降ろし後の貨物運搬やパレット積み上げ、フィルム梱包まで一連の作業を自動化する作業ロボットを使用し、大幅な省人化・省力化を図るもの。これにより、従来の半分以下の人員での作業が可能となり、省人化・省力化が実現する。同センターでは、約20名でのスタートを予定している。

<最大級の太陽光発電システムを導入>
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<EV充電ステーションも設置>
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また、省エネへの取り組みとして、同社最大級の太陽光発電システム(816.48kW)と、大容量リチウムイオン蓄電池(346kWh)を導入し、同社で初めて「蓄電による冷蔵倉庫の冷却」を実現。停電時でも稼働できる自立機能式パワーコンディショナーシステムにより、平常時だけでなく災害等の非常時にも同センターで発電したエネルギーで倉庫内の冷却が可能となる。さらに、同センターの社用車には EV(電気自動車)を採用し、太陽光発電システムと蓄電池を連携させた充電ステーションを5台設置。災害時には、非常用電源として利用可能で、BCP対策としても有効だ。

<吉川俊雄 会長>
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<竣工式の様子>
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竣工式で挨拶に立った同社の吉川俊雄 会長は「わが社は今年5月で創業75周年を迎える。当センターの建設において、100年に向けてどう展開していくのか、全国の社員から寄せられたさまざまな意見をもとに検討を重ね、実現できるものは全て実現した。これが1つのフラッグシップとなるが、今までの施設についても、後付けできるものは対応していくつもりだ」と抱負を語った。

同社では、昨年1月から約半年間、全国の社員を対象に、「冷蔵イノベーションサミット(RIS)」を開催し、今後の冷蔵倉庫運営の方向性について意見を出し合った。そのなかに、若手社員から作業オペレーションの合理化や、機械化を求める声が多くあったという。こうした意見をふまえ、同センターではRFID(近距離無線通信を用いた自動認証技術)タグを用いたパレット管理の仕組みを本格的に導入することとした。

<RFIDタグを活用したパレット>
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具体的には、RFIDタグを埋め込んだ1万4000枚を同センターに導入。このうちパレチゼーションゼーション用としてT11型(1100mm×1100mm)とT12(1000㎜×1200㎜)を7000枚ずつ揃え、顧客にも貸し出す。従来のセンターでは、入出庫するパレット数を手書きで管理していたが、タグ付きパレットでは、パレット情報とパレット上の実貨物情報を連携でき、センターへの入庫から出庫まで、一貫パレチゼーション体制を構築することが可能となる。

<冷蔵倉庫内観>20230301yokorei5 520x347 - ヨコレイ/千葉市に2.5万m2、未来担う次世代型冷蔵倉庫竣工

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冷却設備には、ノンフロンでアンモニア/CO2を使った省エネ型自然冷媒冷却設備を導入。アンモニア/CO2冷凍機の省エネ効果は、従来のアンモニア冷凍機と比べ33%減、フロン冷凍機との比較では、31%減の節電効果がある。

さらに事務所棟ではZEB評価を同社で初めて取得。事務所棟に設置する空調機器や照明設備等の省エネ化により消費電力を従来比で50%以上削減するとともに、太陽光発電により50%以上の創エネを実現、建物のエネルギー消費量の収支をゼロ以下にする。

<敷地全景>
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同社はすでに圏央道沿いで6か所・計約14万トンの冷蔵倉庫を展開しており、このほど竣工した「ちばリサーチパーク物流センター」が関東地区の東の拠点として加わることにより、首都圏から北関東までをカバーする広域物流ネットワークが完成する。

吉川会長は「来年1月、北海道で竣工する恵庭スマート物流センターで国内設備能力は100万トンを突破するが、創立75周年の節目に、現場の各社員の意見から生まれたRFIDやDPS等を落し込んで設計した次世代型冷蔵倉庫が竣工する意味は大きい。このリサーチパークでの取り組みが、未来への試金石となるだろう」と語った。

■概要
住所:千葉県千葉市若葉区上泉町 958 番 10
構造・規模:鉄筋コンクリート造3階建て一部鉄骨造
敷地面積:1万9748m2(5974坪)
延床面積:2万5135m2(7603坪)
建築面積:8911m2(2696坪)
収容能力:3万0475t (F 級:2万7583t C&F 級:1870t C 級:1022t )
新規導入設備
・デバンパレタイズシステム(DPS)
・EV 自動車充電ステーション
・事務所棟 ZEB 評価取得
・自立機能式パワーコンディショナーシステム(太陽光発電設備)
・メガソーラー並みの太陽光パネル(816kW)と大容量リチウムイオン蓄電池(346kWh)によるBCP対策

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