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メディセオ、富士通/AIで効率的なピッキングを阪神ALCで実現

2023年09月01日/IT・機器

メディセオと富士通は9月1日、同日竣工の「阪神ALC(兵庫県西宮市)」に、富士通のAIを活用したピッキングシステムを新たに構築・導入したと発表した。

<「阪神ALC」のAIを活用したピッキングシステムの概要>
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「阪神ALC」に導入したこのシステムは、物流センター内に保管されている3万SKUを超える商品からオーダーに基づき顧客別の納品箱に収納するまでのピッキング工程全体の効率化を目的としている。

ピッキング作業者は複数の顧客向け納品箱に商品を収納するが、その際に同じ商品を一度にピッキング出来れば、作業の集約が可能となり商品の搬送回数も最小となる。今回はこれを2つのAI(数理最適化技術)を組み合わせることで実現した。

1つは、複数の納品箱を作成する際に同時作業できる最適な組み合わせを探索・発見することを可能とするAIで、作業の集約を実現する。そして、もう1つのAIにより各種商品を格納している自動倉庫から、商品を納品箱に収納するピッキングステーションへ、商品格納オリコンを流す際の順序を最適化し、搬送時間を最小化する。その際には自動倉庫の配置やマテハン、および各種ロボットの処理性能を含めて計算処理している。

従来のALCではオーダーが入った順番に納品箱を作成し、出荷までに時間を要していた。一方、このシステムでは一定のオーダー単位でAIによる最適化計算をすることで、出荷時間の短縮、ピッキング作業と搬送を効率化し、生産性を向上させる。AIのほか、各種ロボットや自動化設備も含めて、ピッキング生産性は「神奈川ALC」の約5倍となることを見込んでいる。

メディセオでは、このシステムの「阪神ALC」への導入を皮切りに、ピッキングシステムを採用している他のALCへも「Picking Optimizer」と合わせて順次展開をすすめていく。また、富士通と連携しICTやAIを活用することで、さらなる効率化の早期実現をめざす。

また、富士通では、今回のピッキングシステム導入に加え、メディパル向けにAIを活用した他のサービスによる支援の検討も開始している。また、ロジスティクス領域へのAI活用を促進し、医療・ヘルスケア領域の物流最適化や社会課題解決、環境負荷軽減に貢献していくとしている。

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