LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





連載 現場が変わる人財育成 第2回 菅田 勝

2023年10月10日/コラム

20230911sugata 520x273 - 連載 現場が変わる人財育成 第2回 菅田 勝

連載第2回「Z世代の活かし方と育て方(2)」

前回「Z世代の活かし方と育て方(1)」では、Z世代(若手)の定着を促すためには、彼らの職場と仕事に対する意識や価値観を理解し、接し方と育て方を進化させる必要がある、ということをお話しました。

今回は、具体的な育成手法について、私が現役時代に率先垂範し効果の大きかったもの、そしてコンサル業の現在も支援先企業から喜ばれているGoodな方法をご紹介します。

(1)「挨拶、褒める、承認する」⇒存在承認と行動承認の実践で、新人若手の存在を認め、敬意を表し、仲間外れ感(疎外感)を抱かせない。

まず、あなたが新人の頃を思い出してください。新しい職場に勤務した当初は、名前も知らない人が圧倒的で、心細い思いをしませんでしたか?私には、配属されてまだ数日しか経っていない頃、組織長だった製造部長から、『菅田君おはよう、今日も頼むね!』と、名前を呼ばれ挨拶された瞬間を今も鮮明に覚えていますし、嬉しい気持ちになった記憶があります。

たったの挨拶一つでしたが、私の記憶にはしっかり刻まれ、その部長は自分を気遣ってくれているんだなあと意識するようになりました。それ以来、私は上位職になればなるほど、まず自分から相手に挨拶をして行こうと実践するようになりました。若手やパートさん、アルバイト・派遣さんとのコミュニケーションの基本と考えて、今でも率先垂範しています。『たかが挨拶、されど挨拶』です。あなたは実践できていますか?

そして、未だ駆け出し、未経験で自信がない時、小さな仕事でも、それを所属長が認めて褒めてくれたら、嬉しかった記憶もありませんか?私は入社当時、設備や製品設計用のジアゾ式コピーを頼まれることが時々あったのですが、この作業はアンモニア投入量とコピースピードのバランスが重要で、綺麗な青焼き図面コピーを持っていくと「綺麗な印刷だ、上手いね!これなら、お客様に提出しても喜ばれる」と褒めてもらえた場面が多く、雑用だと思って嫌っていたコピー作業にも熱が入った記憶があります。

現在の若者も、昔の私と同じではないでしょうか?小さな仕事でも、しっかり受け止めてあげて、仕事の結果を出したらしっかり感謝する。そして褒める・承認することが若手のやる気や自信に繋がり、牽いては職場への定着の好スタート点になります。

職場の安全パトロール隊や、5S活動委員会メンバーにベテラン従業員ばかりを配置している物流企業が多いですが、私はあえて半分は新人若手やパートさんにも参加してもらい、良否の判断基準を伝授し、組織運営の仕組み構築に参加してもらうことで、伝統やノウハウの継承、人財育成面で良い結果につながると考えています。

また、これら委員会チェック活動の結果を全体朝礼や会議体で説明してもらうことも、若手の紹介も兼ねてプレゼンテーションスキル向上にも効果的です。若手を活かす・育てる・認めるという視点に立てば、さまざまな活動に参加してもらえる機会、若手を巻込める機会が存在することに気付くかと思います。

以下の資料はその考え方と事例です。この資料は、日産ディーゼルニュース2009年7月号坪田順子氏記事を参考に、現在管理職研修にも多用しています。

<資料>
20231010sugata1 520x388 - 連載 現場が変わる人財育成 第2回 菅田 勝

 

(2)「改善提案制度を積極導入」⇒一人1件/月を奨励し、提出された提案書には必ず目を通し、感謝の意を伝え、内容を聞くと同時に、動機づけコミュニケーション機会とする。動機付け理論の1つである 『マズローの欲求5段階説のレベル4以上に引き上げる』組織活動の事例です。

あなたは、所属する全員と日頃からコミュニケーションをしっかり取っていますか?自分ではしっかり取れていると思っていても、一部の人だけで止まってはいないでしょうか。私は、現役時に3か所の事業責任者を経験し、従業員290人規模の拠点でも、一人1件/月を奨励し、全部の提案書に目を通し、現場巡回時に短時間ではありますが、その内容について全提案者に聞いていく実践行動を執っていました。

そのため、全員の名前を早く覚えましたし、良い着眼点の改善提案はしっかりと褒めることもでき、朝昼礼時に好事例を紹介顕彰し、結果として赤字拠点を短期間で黒字化する原動力にもなりました。全員を励まし、ベクトルを合わせ、やる気にしていくモチベーションアップの改善方策です。若手新人だけでなく、全メンバーの意識が変わり、行動が変わり、職場に活気が溢れてきますよ。

以下の添付資料はその考え方と事例です。組織のQCDSパフォーマンス(物流KPI)改善効果も大きいため、実践されることをお薦めします。

<資料>
20231010sugata2 520x390 - 連載 現場が変わる人財育成 第2回 菅田 勝

関連記事

コラムに関する最新ニュース

最新ニュース