東京ロボティクスは2月13日、物流施設向けのソリューションとして、移動マニピュレータを用いて棚からカゴ車等へ商品を無人搬送する「Torobo GTC」の提供を開始したと発表した。
<Torobo GTCを用いた靴箱ピッキング>
概要は、顧客のWMS(Warehouse Management System)と連携し、ロボットが自動的に3つの作業を実施する。
1.商品補充:商品をカゴ車等から取り出し棚に格納。作業者は入荷・検品済の商品が入ったカゴ車を所定の位置に設置する。ロボットは商品をカゴ車からピックした後、運搬し、棚に補充する。
2.商品出荷:商品を棚から取り出しカゴ車等に格納。ロボットは指定された出荷単位/バッチ単位に商品をカゴ車に振り分けて積載する。ピックが完了したカゴ車は作業者が次の工程に運ぶ。
3.棚卸しでは、定期棚卸しや循環棚卸しなど、要望に応じて対応する。
現在、ロボットとして、高さ3.9mリーチタイプ(TG-L)と高さ2.6mリーチタイプ(TG-S)の2種類を提供しているが、顧客の環境に応じてカスタマイズが可能。
<高さ3.9mリーチタイプ(TG-L)と高さ2.6mリーチタイプ(TG-S)>
ハンドリング対象としては、靴箱、箱入れされた家電、箱入れされた工業部品、カートン全般と、箱類にフォーカスしている。今後、箱類以外の物品を扱うことも検討していく。
なお、物流施設向けのピッキング支援システムの多くはGTP(Goods-to-Person)と呼ばれ、ピッキングステーションの設置と、そこにおける作業者による商品受け取りを前提としている。そのため、省人化が不十分という課題があった。
このソリューションは商品の運搬先をカゴ車等にすることにより、人手の介在をなくし、さらなる人件費の削減と24時間の無人運用を可能にしている。また、商品の直接ピッキングによる棚上の稠密な配置と、約3.9メートルの高さまでのリーチを可能にすることで、高い保管効率も実現している。
その他、ロボット1台あたり60pcs/h前後のスループットが出せる点や、既存の棚を転用することで初期費用を抑えられる点、逐次導入によるスモールスタート、顧客環境へのカスタマイズなど、いくつものメリットがある。