トランコムと全日本空輸(ANA)は8月30日、ANAの昼間便の航空貨物スペースを活用して輸送するサービス「空飛ぶパレット」、通称ソラパレを開始した。
パレットをそのままコンテナに積み込み、国内10空港と全国の陸路をつなぐ、集荷から納品まで空陸一貫の輸送サービス。トランコムが全行程を一括手配する。
ソラパレは、国内旅客定期便における昼間帯限定の床下貨物空きスペースを有効活用するもの。航空コンテナ単位で輸送するANAと、トラックの空車情報と荷主をつなぐトランコムの求貨求車サービスを組み合わせた。
具体的には、トランコムが手配した車両で集荷・空港搬入、空港搬出・納品を行い、ANAの航空貨物コンテナで空路輸送を行う。
集荷から納品までのパレット当たりの料金(エリアごと)が設定されており、トラック1台に満たない少量の物量でも、トラックをフルに使うことなく無駄のない輸送が可能となる。
対象空港は、新千歳、羽田、伊丹、広島、松山、福岡、熊本、長崎、鹿児島、那覇(出発のみ)の10か所。
新サービスの背景には、物流業界の慢性的なトラックドライバー不足や担い手の高齢化、環境への配慮など、社会課題への対応が求められていることがある。
特にドライバーの残業規制では、輸送力の確保、輸配送効率の高い物流ネットワークの構築などが課題で、トランコムとANAは、「最短で当日中に納品できる空陸一貫のワンストップな輸送サービスを2024年問題対策の選択肢の一つに」としている。