帝国データバンク(TDB)が、2025年の注目キーワードについての企業アンケート結果を公開した。
アンケート期間は2025年1月10日~15日、有効回答企業数は1805社(インターネット調査)。
2025年の注目キーワードは、、「トランプ2.0」が9割弱でトップ。食品、ガソリン、原材料などで話題になる「値上げ」は80.9%、「賃上げ」はそれに続いて74.8%となった。
さらに続く「人手不足」は70.0%であり、70%を超えるキーワードのすべてが、運輸・物流業界の2024年問題などと切り離せない話題となっていた。
企業からの声としては、「トランプ新政権の発足で中国などとの関係性がどうなるのか、それにより世界経済が混乱するのではないかと考えている。また、ゲリラ豪雨など異常気象の被害、トラックドライバーの激減による輸送の困難、円安にともなう物価の上昇なども懸念される」(運輸・倉庫)といったものが見られた。
<業界別2025年注目キーワード 全体比10ポイント以上プラスとなったもの>
全体のデータと業界のデータを比較して、10ポイントを上回ったものをまとめたデータでは、運輸・倉庫において「中東情勢」が全体比13.2ポイント上回る43.4%となった。
原油価格に影響を及ぼし得るキーワードなだけに、他の業界よりも敏感なワードとして目立つ形となっている。
2025年は原材料費や人件費など諸コストの上昇に加え、個人消費の低減や慢性的な人手不足など、企業経営にまつわる問題が多く残るなかでスタートした。
政府が掲げる“賃金と物価の好循環”の実現への期待を持って「賃上げ」を今年の注目キーワードとして選んだ企業も少なくないが、それにともなうコスト負担増への対応も含め、解決が急がれる経営課題に関連するワードが多く挙がる形となった。
2025年は企業を取り巻く環境に厳しさが増すなかで、企業の課題解決力とビジネス環境の変化への迅速な対応力のほか、政府・行政による経済・外交など多岐にわたる効果的な政策が問われる1年となろう。
食品値上げ/2025年は更に増加し24年超える見通し 物流費も要因に