山九の「横浜ロジスティクスセンター」が2月26日、本牧ふ頭(横浜市中区)で竣工した。
本牧ふ頭エリアは現在、拡充に向け再編整備が進む。コンテナ船の大型化など、港湾を取り巻く情勢が変化するなか、大型船の入港や増加するコンテナ貨物を取り込もうとの狙いだ。
横浜ロジスティクスセンターは、都心部や羽田空港に車で30分圏内とアクセスが良く、海外と日本をつなぐ拠点となる。
センターには通関スタッフが常駐し、輸出入手続きから荷役作業、保管・倉庫作業まで、一貫したサービスを提供する。
岸壁に隣接している立地特性も最大限生かす。接岸してすぐの入出庫作業に対応するなど、効率的に大型貨物船からの貨物搬入ができる。
施設は延床面積2万921m2(倉庫は1万7025m2)で、4階建て。施設内に管理・営業部門など横浜支店のオフィスも置く。
取り扱う貨種は、自動車部品や半導体関連装置などのほか日用雑貨まで、幅広い製品を予定している。輸出入貨物のストックポイントとしてニーズが高いという。
長尺の大型貨物を扱うことも想定し、トラックバースの大型ひさしは最長13m。雨に濡れず荷さばきできる。
ドックレベラーは10基設けた。このほか、垂直搬送機4基、業務用エレベーター1基を備えている。
環境への配慮にも力を入れ、屋上には太陽光パネルを設置するなど、「BELS」6つ星と「ZEB」認証を取得。
省エネと太陽光発電などを利用した「創エネ」により、年間のエネルギー消費削減効率は100%以上になる見込みという。
竣工式で山九の中村公大 社長は、「この施設は3つの目的でアップデートした。1つは、安心して荷物を預けてもらえるよう管理部門を置き現場と一体にすること。環境対策でCO2削減に貢献すること、従業員が笑顔になる働きやすい倉庫とすることも目指した。新しい時代を紡いでいきたい」と意気込みを語った。
また、来賓として横浜市港湾局の新保康裕 局長は、「横浜港を国内外問わず使ってもらいたい。大型船に対応できるよう本牧ふ頭を拡張し、新本牧ふ頭も整備を進めている。市の取り組みと横浜ロジスティクスセンターの相乗効果を期待している」と竣工を祝った。
■施設概要
名称:横浜ロジスティクスセンター
住所:神奈川県横浜市中区本牧ふ頭9-88
敷地面積:1万5027.75m2
延床面積:2万921m2(倉庫1万7025m2)
構造:S造/4階建て
設備:垂直搬送機4基、業務用エレベーター1基、1階高床/低床(ドックレベラー10基)
設計・施工:日鉄エンジニアリング
開設時期:2025年3月下旬予定